出張シェフサービス「シェフくる」には、「料理長」「スーシェフ」の経験をもつシェフがたくさん在籍しています。
ただ、料理長はともかくとして、スーシェフは「初めて聞いた」「聞いたことはあるけれど、どんな立場の人か知らない」という方も多いのではないでしょうか?
今回はスーシェフとはどんな立場の人で何をしているのか、料理長と比較しながら迫ってみたいと思います。
目次
フレンチ料理人の役職
日本では「シェフ」と言えば西洋料理の料理人全般を指しますが、本来は「シェフ=料理長」です。料理長以外の料理人は全員「コック」と分けて呼ばれます。
スーシェフは副料理長、シェフ(料理長)のすぐ下にいる存在です。
・シェフ(シェフ・ド・キュイジーヌ)(料理長)
・スーシェフ(副料理長)
・シェフ・ド・パルティ(部門料理長)
・コミ(料理人)
一般の会社組織でたとえると、シェフ(料理長)が社長、スーシェフが副社長と部長を兼ねたような存在、シェフ・ド・パルティが課長や係長、コミが平社員や新入社員にあたります。
調理師学校を卒業してレストランに入ると、まずはコミの身分になり、見習いとして皿洗いや食材の下ごしらえ、清掃などの仕事を任されます。
肉料理や魚料理など全ての部門で修行を積んで一人前の料理人になった後、シェフ・ド・パルティ(部門料理長)へ昇格。ここにたどり着くまで十数年かかるのも珍しくない、厳しい世界です。
シェフ(料理長)やシェフ・ド・パルティたちから認められる存在になると、いよいよスーシェフ(副料理長)へ昇格し、シェフ(料理長)の右腕として厨房を取り仕切る存在になります。
そして引退するシェフの跡を継ぐ、新店舗のシェフを任される、独立するなどの形でシェフ(料理長)へ昇格します。
なお、これが基本的な流れではありますが、料理人たちはさまざまな経験を積むために他のレストランへ移ることも少なくありません。
レストランによってはスーシェフの求人を出している場合もあり、入店初日からスーシェフという場合もありえます。ただし、もちろんそれだけの技術やマネジメント能力、一般の会社でいう部長や副社長クラスの能力が求められます。
厨房の最高権力者・シェフ(料理長)とは?
まずはシェフ(料理長)の仕事から紹介します。
料理長は厨房における絶対的な権力者。「シェフが白といえば黒も白になる」と称されるほどの権力を持つ存在です。
シェフ(料理長)の役割は?
シェフ(料理長)はレストランの顔としての役割、レストラン内で起こったことすべての責任を持つ存在です。
レシピの考案や料理の最終チェックを行ってレストランの質を保ったり、顧客対応をしたり、レストランの年間計画を立てたり、予算管理をしたり、人事をしたりと、レストラン全体を良い形で回すためのマネジメントに労力を割いている場合が多いです。
特にホテルや結婚式場のような大型レストランのシェフ(料理長)は、パーティのたびにゲストにどんなお客様が招かれるか、予算はどれくらいかを考慮しつつ、メニューを考案し、生産者から食材確保のルートを構築したりと奔走しなければなりません。
シェフ(料理長)はお客さま向けの調理をしないことも多い?!
シェフ(料理長)は一般企業の社長と同じで、小さなレストランならばみずから采配をふるうことも珍しくありませんが、ある程度の規模になってくるとマネジメントで手一杯になり、第一線で活躍することは稀になってきます。実際にはお客さま向けの調理をしないケースも珍しくありません。
ただしメニューを考案し、料理の最終チェックを行い、人材育成を行ってレストランの世界観を作るのは料理長です。料理長の知名度や力量でレストランの人気は大きく左右されるため、実際にお客様向けの調理をしないとはいえ、レストランの最高権力者であることには変わりありません。
厨房の指揮官・スーシェフとは?
スーシェフは副料理長、二番手として厨房の指揮をとっています。スーシェフの「スー」は英語でいう「サブ」の意味です。
ホテルレストランなど大きなレストランではスーシェフが複数人いる場合もあります。
スーシェフの役割は?
スーシェフは料理長の右腕としての役割を担うため、厨房で行われるすべての調理を担当できる技量、前菜からデザートまでフルコースをひとりで完璧に作れるだけの技術が必須になります。
調理中は厨房全体を管轄して、肉料理や魚料理といった各部門に指示を飛ばしたり、部門料理長の不在時に代役をしたり、遅れているポジションを手伝ったりとマルチに動きまわります。シェフ(料理長)の不在時には代役として顧客対応なども行います。
お客様に提供する何百皿というお料理をすべて、ピークタイムの忙しさであったとしても、シェフ(料理長)のレシピを味・盛り付けともに完璧に再現して質を保つのがスーシェフの役目です。しかもそれをお客様の食べるペースに合わせ、ぴったりのタイミングで提供しなければなりません。
2人以上のお客様が別々のメニューを頼んだとき、カジュアルな店ではお料理が別々に到着するケースも珍しくありませんが、高級レストランにおいて片方のお客様を待たせるのは「ありえないこと」になります。美食ガイドブック「ミシュラン」の覆面調査員は2人以上で店を訪れ、わざとひとりがコース、ひとりがアラカルトを頼んで、料理が最高の状態で同時に到着するかチェックすると言われるほどです。
お客様が注文された料理から仕上がり時間を逆算し、同時に料理が仕上がるよう指示を飛ばしたり、遅れているポジションを手伝って間に合わせるのもスーシェフの大事な役割です。
スーシェフは単なる「二番手」ではない
マネジメントに労力を裂くことが多く、実際には調理場に立たない場合も多いシェフに代わり、指揮官として活躍するスーシェフ。実際にお客さまに向けた調理をしている料理人の中ではスーシェフが最高位で、厨房で実権を握っている…そんなケースも珍しくないのです。
しかも、立場としては中間管理職になります。プレーイングマネージャーとしてシェフ(料理長)とコックたちに挟まれ、精神的に苦悩するスーシェフも少なくありません。
そのためシェフが経歴を書く場合は単なる「副料理長」、二番手と書かずに、「スーシェフ」と書いて力量をアピールする場合が多いです。経歴の「スーシェフ」には、指揮官として厨房を取り仕切ってきたという料理人の自負があらわれているのかもしれません。
出張シェフで料理長やスーシェフの料理を堪能しよう
レストランの顔として奔走する料理長と、厨房の指揮官として実際にお客様の口に入る料理を作るスーシェフ。どちらも前菜からスープ、魚料理、肉料理、デザートまで、全ての工程を一流のクオリティで作れる技術を持った素晴らしいシェフであることに間違いありません。
出張シェフサービス「シェフくる」には料理長やスーシェフとしての経験をもつシェフが多数在籍しています。高級レストランで修行を重ね、実力を認められている一流シェフたちのお料理が自宅で手軽に味わえるので、ぜひ利用してみてください。
副業として出張シェフが増えています。
最近、スーシェフの立場にいるシェフが出張シェフも兼ね合わせることが増えてきています。
スーシェフとして料理の腕は上がってきたのに、まだ料理長の下で働いていて、なかなかメインの料理を任せてもらえない。
自分が中心となって料理を提供し、お客様の喜ぶ顔が見たい。
スーシェフだけでなく、色んな立ち場のシェフ・料理人がこのような状況ではないでしょうか。
理由はなんでも構いません。みなさんの気持ちを料理にぶつけてみてください。
あなたも出張シェフを副業で始めてみませんか?