イタリアのパスタの種類とは イタリア人も把握できない数百種の中から主な種類をご紹介

2021.05.15

日本でよく知られているパスタといえばスパゲッティやペンネがあげられます。

近年は食のグローバル化が進み、それ以外のさまざまな種類のパスタが日本でも購入できる時代になりました。

パスタの故郷イタリアには、いったいどれくらいの種類のパスタが存在するのでしょうか。

実はこれについては、イタリア人でさえもわからないというのが実状です。

とはいえ、いくつかのカテゴリーやメジャーなパスタというのは存在します。

今日はパスタの種類についてご紹介したいと思います。

12世紀にまでさかのぼるパスタの歴史

小麦粉と水から構成されるパスタは、地中海地方で古い歴史があります。

古代ローマ時代にはラザニアのようなものが存在していたようですが、われわれがいわゆる「パスタ」として食べるスパゲッティなどが登場したのは、12世紀といわれています。

マカロニは13世紀、つまり中世の時代からパスタはイタリア半島で食されていたわけですね。

それから数世紀、現代のイタリアには高名なもの、地域限定のもの、さまざまなパスタが300~500種類存在しているといわれています。

実は、イタリアでも体系的な調査が行われておらず、正確な数字は不明というのが実状なのです。

パスタのカテゴリー

イタリアが誇る食文化の一翼、パスタ。

パスタの種類の正確な数は把握できなくても、いくつかのカテゴリーにはわけられています。

  • パスタの形状

まず、パスタの形状については以下の2種。これは誰でもわかりますね。

・ロング

・ショート

そして、ロングパスタは以下のように種類分けされています。

・厚みがあり幅も広いもの(例:ラザニア、パッパルデッレ)

・厚みがないもの(例:カペッリーニ、タリオリーニ、フェットチーネ)

・細長い長方形をしているもの(例:トレネッテ、リングイーネ)

・円柱の形状のもの(例:スパゲッティ、ヴェルミチェッリ)

・中心に穴があるもの(例:ブカティーニ)

ショートパスタの種類はこちら。

・スープやミネストローネに入れる小型のもの(例:クアドルッチ、ステッリーネ、ディタリーニ)

・ミディアムタイプ(例:コンキリエ、オレキエッテ)

・細長いもの(例:リガトーニ、フジッリ)

・詰め物タイプ(例:ラビオリ、アニョロッティ)

・ファンタジー(上記のパスタの範疇にないものすべて)

  • パスタの表面について

日本ではあまり注目されませんが、イタリア人はパスタの表面がすべすべかそうでないかにもこだわりがあります。

・すべすべタイプ(イタリアではあまり人気がなく、ロックダウン中のスーパーでも売れ残りが多数)

・ざらざらタイプ(調味料がからみやすいというメリットあり)

・縞々(しましま)タイプ(ソースが絡むという理由で最も人気が高い)

  • パスタの生地について

パスタの形状については、イタリア国内にも国際的にもとくにルールは存在しません。

しかし、パスタの生地については2001年の大統領令によって法律が定められています。

・セモリナ粉とデュラム粉のパスタ

セモリナ粉とデュラム粉、そして麩(ふすま)を含むパスタ。水分は最高で12,5%。

・デュラム粉とセモリナの全粒粉

上記2つの粉と水で構成され、繊維質が多いのが特徴。

・卵を含む生パスタ

セモリナ粉、水、全卵(パスタ1キロ当たり最低でも4個)を含むパスタ。黄みがかった色が特徴で、当然のことながらたんぱく質が含まれる。

・生パスタ

パンコムギを使った柔らかいパスタで、水分量が24~30パーセント。4℃前後で保管する必要がある。

・常温での保存が可能なパスタ

文字通りのパスタ、ただし水分量が20%以上であること。

・ダイエットパスタ

痩せるためのダイエットではなく、「療法」を意味するダイエットのパスタ。グルテンフリーなどがその代表。

・フレーバーパスタ

パスタの生地にトマトやホウレンソウなどが含まれるもの。

イタリアでメジャーのパスタは、上から3つくらいでしょうか。

その他のパスタは、こちらでも「特殊なパスタ」としての認識になります。

地方や地域ごとに愛されるパスタの種類は異なる?

ここまで述べてきたパスタの種類は、イタリア国内で流通している比較的知名度の高いものです。

イタリア人はそれぞれ、好みのパスタの形状に非常に忠実。自宅で消費するパスタの種類はほぼ決まっています。冒険することが少ないのです。

これは、前回余ったパスタと違うタイプを使用すると加熱時間が異なってしまうという実際的な問題もあるためです。

いっぽうで、イタリアのパスタの種類を無限にしている主要因が、各地方や地域独自の名前と形状を持つパスタです。

バカンスなどで遠方に旅行すると、イタリア人でさえもメニューを読んだだけではどんなパスタなのかまったく見当がつかない、という事象が発生するのです。

ここでは、各地方で比較的名前の知られたパスタをご紹介したいと思います。

・ラツィオ州

首都ローマのあるラツィオ州は、日本でも大人気のカルボナーラやアマトリチャーナを郷土料理として有しています。この2つのパスタに使用される頻度が高いのが、真ん中に穴が空いたロングパスタ、ブカティーニ。

・ロンバルディーア州

イタリア経済の中心ミラノを州都とするロンバルディーア。スイスの国境に近いヴァルテッリーナ地方には、そば粉(サラセン粉)を使用したピッツォッケリという素朴なパスタがあり。ジャガイモやキャベツ、チーズと合わせて食べるのが特徴です。

・トスカーナ州

フィレンツェをはじめ、外国人観光客に大人気のトスカーナ州。イノシシの肉を使った豪快なソースに合うパッパルデッレ、手打ちうどんのような形状のピーチが有名。また、国立公園があるカゼンティーノ地方では、高地で栽培されるブランドじゃがいもを使ったトルテッリも。

・カンパーニア州

美食の都ナポリを有するカンパーニア州。この州には、美味しいパスタの生産地として有名なグラニャーノという町も存在します。南イタリアの陽光を浴びた甘いトマトと魚介類を絡めるパスタの種類は無限です。カンパーニア州に起源をもつパスタには、ヴェルミチェッリ、表面のギザギザが特徴のマファルデ、生パスタのシャラテッリ、ショートパスタのパッケリ、チューブのような形状のズィーティなどなどがあり。

パスタの種類はレストランのアドバイスを受け入れるべし!

基本的に小麦粉と水で作られるパスタ、形が変わったからといって味が変わるわけではありません。

それなのに、形状が変わるだけで食感がかなり異なるのが興味深いところです。

イタリア人のみならず、みなさんにもお好みのパスタの種類があると思います。

レストランでカルボナーラを頼んだ場合、ブカティーニを好まない場合はショートパスタに代えてもらうことも不可能ではありません。

しかし、それぞれのソースや味付けにはそれにマッチしたパスタの形状があり、これは長い時間の中でイタリア人が研究し実験したどり着いた結果なのです。

その食文化を食べるわけですから、素直にレストランのアドバイスに従って新たなパスタな種類にぜひトライしてみてください!

 

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