夏の飲み会といえば、欠かせないのがビールです!世界各地の飲兵衛がこよなく愛するビールではありますが、特有の苦味が苦手で「飲みにケーション」を負担に思う方も少なくない飲み物だったりもします。
ビールを美味しく飲めるようになりたい、でもどうにも苦手意識が離れない…。今回はそんな方に向けて、飲みやすい種類や、美味しい飲み方をご紹介します。
目次
まずはビールの種類を知ろう
まずはビールの種類について学んでみましょう。ビールの種類がわかれば、得意な種類のビールが見つかるかもしれません。
ビールは製造方法によって「ラガー」と「エール」に分かれます。日本で流通しているビールの多くがラガー、クラフトビールとして売られているものに多いのがエールです。それぞれの特徴を紹介します。
ラガー
スーパーなどで多く見かけるビールがラガーです。ラガーは大量生産で管理がしやすい「下面発酵」という方法で作られています。
・ピルスナー:日本で流通しているビールのほとんど。「キリン」「アサヒ」「ヱビス」のほとんどや、「ハイネケン」「コロナ・エキストラ」など。
・アメリカビール:苦味が少なくて炭酸強め。「バドワイザー」など。
・シュヴァルツ:日本の大手メーカーの黒ビールに多い。「ヱビスプレミアムブラック」など。
ラガービールのほとんどがピルスナーですが、他にもさまざまな種類があります。
エール
エールは昔ながらの製造方法「上面発酵」で作られているビールです。
・ペールエール:ホワイトビール。「志賀高原ビール」など。
・ベルジャンホワイト:ホワイトビール。「ヒューガルデン」など。
・IPA:苦味とホップの香りが強い。「インドの青鬼」など。
・スタウト:コクのある黒ビール。「ギネスビール」など。
エールは個性が出しやすく、ここに挙げた4つの他にもたくさんの種類があります。輸入ビールやクラフトビールとして売られているものが多いので、ぜひ試してみてください。
なかでもベルジャンホワイトはフルーティーで苦味が少なく、「ビールが苦手だけど飲んでみたい」という方にはおすすめの種類です。
ビールを色で選んでみる
ビール=黄金色のイメージがありますが、白に近い色からコーラのような褐色まで、さまざまな色があります。色によって製法や香りも異なります。
ホワイトビール
ホワイトビールは大麦のほかに小麦も使って作るビールです。ベルギービールのベルジャンホワイトが代表格。
苦味が少なくて白ワインのようなフルーティーさがあり、「日本の大手メーカーのビールが苦手!」という方でも比較的飲みやすいです。女性をターゲットにした商品も多く、「水曜日のネコ」などかわいらしいパッケージのものもたくさん販売されています。
黒ビール
ビール製造に使う麦芽を焦がして使う黒ビール。シチューなど濃厚な料理によく合い、しばしば「冬のビール」と称されます。
黒ビールは苦いイメージがあるかもしれませんが、スタウトなどエール系でコクのある黒ビールなら苦味はさほど強くないこともあります。
コーヒーやキャラメルのような濃厚な風味で、ピルスナーの香りが苦手な人にも比較的飲みやすいです。ただ、他のビールに比べてアルコール度数高めのものが多いのでご注意を。
これ、普通のビールとどう違うの?
飲兵衛がこぞって飲む生ビール。でもこれ普通のビールとどう違うの?
発泡酒や第三のビールについても、普通のビールとの違いを紹介します。
生ビール
生ビールとは、熱処理していないビールを指します。実は日本で流通しているほとんどのビールが生、瓶ビールのみならず缶ビールもほぼ生です。たまに「クラシック」という名前が使われているビールの一部に熱処理ビールがあったりしますが、少数派です。
では居酒屋などでよく見かける「生ビール」は何なのでしょうか?居酒屋などでは一般に、生ビール=ビールサーバーに入ったビールを指します。瓶よりビールサーバーの方が回転が早いため新鮮で、泡もきれいに出やすいです。
発泡酒
発泡酒は一言でいえば、「国税庁が定めるビールの基準を少しだけ外れてしまったもの」です。原料や製法はビールと同じなのですが、麦芽の使用率を下げて代わりに小麦など別の材料を使っていたり、ビールの製造に認められない原料を添加しているものを指します。
諸外国では立派なビールとして扱われているものも、日本にくると規定から外れてしまい、「発泡酒」扱いになることもしばしば。特に小麦や香りづけのスパイスを使う白ビールは発泡酒になっていることが多く、ベルギービールの代表格・ベルジャンホワイトの「ヒューガルデン」も表記上は発泡酒になっています。
発泡酒=安くてそこそこの味というイメージがありますが、値段は麦芽の含有量で決まるため、発泡酒=安いと一概には言えません。麦芽の含有量が少なく低価格な商品もありますが、上記の「発泡酒扱いになってしまった白ビール」などはビールと同程度の価格帯です。
第三のビール
第三のビールは、ビールっぽい外見ながら、ビールとは製造方法がかなり異なるお酒です。
・麦や麦芽を使わず、豆など別の材料で作っている
・発泡酒に別のアルコールを混ぜて作る
主にこの2パターンで作られており、安価なのが特徴です。
ホッピー
ホッピーは麦とホップを原料にして作られるビアテイストドリンクです。アルコール度数が0.8%と低いので、お酒に弱い人でも安心。焼酎など別のアルコールで割るのが定番ですが、そのまま飲んでも美味しいです。
ビール嫌いでも飲みやすい!ビアカクテルに挑戦
それでもやっぱりビールは苦くて飲みにくい!苦手なタイプのビールが余っている!という場合は、ビアカクテルにしてみるのも一つの手です。
シャンディガフ(ビール×ジンジャーエール)
居酒屋でもよく見かけるビアカクテル、シャンディガフ。色や発泡具合がビールとかなり似ているので、「周りが全員ビールを頼んでいるのに、自分だけカクテルを頼むのは気まずい…」という時の救世主にもなってくれます。
レッドアイ(ビール×トマトジュース)
甘いカクテルは好みじゃない…という方におすすめなのがレッドアイ。トマトジュースがビールの苦味をうまく隠してくれて、飲みやすくなります。お好みでタバスコやレモン汁を加えていただきます。
コークビア(ビール×コーラ)
ビールをコーラで割った飲み物で、「ディーゼル」という呼び名もあります。黒ビールを使うと「トロイの木馬」という名前になります。
一緒に食べるものにこだわってみる
ビールには唐揚げと枝豆!と言われますが、これはラガー、特にピルスナーと相性のいい食材です。ビールに合わせて食べ物にも一工夫してみましょう。
食べ合わせはなかなか大事で、上手に合わせるとビールの苦味をうまく隠してくれたり、香りを引き立たせてくれます。
基本的には、すっきりとした軽いビールには繊細な味わいの食材を、濃厚な味わいのビールにはこってりした味の食材がよく合うと言われています。IPAなど苦味とホップの香りが強いビールには脂っこいものや、カレーなどスパイシーな料理もよく合います。
また、ビールの原産地とその国の郷土料理を合わせると間違いがないとされています。
・ペールエール(イギリス原産)×フィッシュ&チップス
・スタウト(アイルランド原産)×アイリッシュシチュー
・ベルジャンホワイト(ベルギー原産)×クリームコロッケなどクリーム系の料理
ビールをお供に、世界旅行気分を味わうのも楽しいかもしれませんね。
舌が慣れると美味しく感じるようになる!いろいろ試してみよう
ピーマンやコーヒーなど苦味があって子どもに不人気の食材も、年齢を重ねるとだんだん美味しく感じられるように、ビールも舌が慣れてくると美味しく感じるようになるといわれています。
ぜひ好みに合うビールを見つけて、少しずつ飲めるビールの範囲を広げてみてください。
出張シェフサービス「シェフくる」には、お酒によく合う料理が得意なシェフが多数在籍しています。お酒も自由に持ち込んでいただけるので、ぜひお好みのビールとお料理の組み合わせを楽しんでみてください。