食育とは何?食育基本法の概要やねらいを解説

2020.12.02

食育とは何?

人間は生涯に渡って、自炊であっても外食であっても、何かを食べて生きていきます。つまり食とは人間の基本的な営みのひとつ。そんな食に関する知識を身につけ、バランスのよい食生活を実践するための力を育むことを、食育と言います。

健全な食生活を送るための力は、子どもから大人まですべての世代が必要とすること。家庭、学校、公共施設など、あらゆるところが食育を実践する場とされました。

食育という考え方が生まれたのは実は古く明治時代までさかのぼります。その後もテレビや雑誌等で取り上げられることはありましたが、広く知られるほどではありませんでした。

食育が注目されるようになったのは、2000年代に入ってから。食品添加物、農薬、食物アレルギー、食中毒など、日ごろから食べているものに実はさまざまなリスクが伴うことが指摘されるようになりました。BSE 問題に代表される牛肉の安全性や、大豆やトウモロコシなどの遺伝子組換えのような、グローバルな課題も浮上。バランスの悪い食生活により肥満や生活習慣病が増えていることも問題視されはじめました。

食に関わる多くの社会問題が浮上したことです。私たちの生活は豊かになったぶん、食に関する正しい知識を持つことが、これまで以上に求められるようになったのです。

食育基本法とはどのような法律?

食べる力は生きる力。社会の課題と向き合いながら、健康的な生活を送るためには、食に関する知識を持つことが不可欠であるとされました。食育の大切さが法律という形で示されたのは2005年。関連する取り組みを推進するために食育基本法が制定され、2015年の改定を経て現在に至ります。

食育基本法とは全33条から構成されている法律で、食育に関する基本的理念や、推進するための基本的方法が示されています。食育基本法が制定されたことで、食育を推進するための取り組みは国の責務となりました。そこで現在、各省庁や自治体、学校などは、食育基本法を意識して食育を推進する活動を行っているのです。

食育基本法の内容

食育基本法は全33条から構成されていますが、私たちの生活に直結しているのは第2条から第8条です。簡単にまとめると、おおむね次のようなことが書かれています。

・食育を通じて国民の心身の健康を維持する。

・食育により、食に関する感謝の気持ちを育む。

・食育に関わる情報提供、体験活動などを展開する。

・保護者や学校は積極的に子どもの食育に取り組む。

食育基本法が制定されたことで、学校教育に食育に関わる活動が取り入れられたり、自治体ホームページに食に関する基本的知識が掲載されたりするようになりました。

理念の詳細は農林水産省が公表していますで、興味がある人はチェックしてみてくださいね。

食育基本法

食育基本法を制定したねらい

食育は、あらゆる世代が対象となりますが、食育基本法においてとくに重視されているのが子どもたちに対する教育です。そのねらいは、子どもの健康増進と、将来に保護者になることを見据えた教育です。

現在の環境では、子どもは小さいころからジャンクフードやスナック菓子を食べることが当たり前。また、朝食を食べないで学校へ行く、夜遅くまで何かを食べているなど、乱れた食生活を送る子どもが増えています。幼少期からハイカロリーで、添加物が多く含まれたものを食べていると、将来に健康を害する確率が高まります。また、小さいころから濃い味の食事をしていると、味覚の偏りから大人になっても不健康な食生活を続けてしまうとも言われています。

そこで、成人後も健康な生活を送れるように、早い段階から食に関する教育をしようというのが基本法制定のねらい。子どもは、将来は親になる立場。子どもが親になったとき、自分の子どもに食育ができることがベストです。そこで食育基本法では、教師や保護者は食育の重要性を認識・推進することで、次の世代に継承していく義務があることを示しました。

学校における食育活動とは?

それでは、現在の学校ではどのような食育が行われているのでしょうか。食育の軸となるのが給食。もともと給食では栄養バランス等が配慮されていましたが、最近は地域の特性を活かした特別メニューが提供されています。郷土食を食べる日を設ける、特産の野菜や食材を使ったレシピを開発するなど、地域の特性を活かした給食が提供されるようになりました。

さらに、調理されたものを食べるだけではなく、実際に野菜を育てて収穫する、それを給食の食材として使ってもらうこともあります。また、野菜を育てることの大変さや、自然や生産者に対する感謝の気持ちを育むため、地元の農家を訪問して農作業を手伝う機会が設けられることも珍しくありません。海の近くにあるのなら漁業体験、食品製造工場が近くにあるのなら工場見学と、学校がある環境に合わせて何を体験するのかが変わってきます。

また、地元の生産者や食品製造関係者をゲスト講師として呼ぶ、特別授業が行われることもあります。食に関わる仕事をしている人と実際に交流することで、日ごろから食べているものがどのように生産されているのか知り、さらには、子どもの職業意識を高めることもそのねらいです。

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