美食ガイドブックとして大きな影響力を持つ「ミシュランガイド」。一度はミシュランの星つき店でじっくりお料理を味わいたい…。そんな夢をお持ちの方も少なくないのでは?
しかし「ミシュランは星いくつまである?」「ミシュランとビブグルマンの関係がよくわからない」などなど、意外にあやふやな部分がある方も多いのではないでしょうか。
この記事ではミシュランガイドブックの豆知識と、海外ではミシュランと同規模の影響力を誇る美食ガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」についても紹介します!
目次
ミシュランガイドとは?
世界的に大きな影響力をもつ美食ガイドブック「ミシュランガイド」。赤い表紙をしていることから、「レッドブック」とも呼ばれます。
「星」の評価基準は?
ミシュランガイドの「星」は「3つ星」が最高点となります。評価基準は以下の通りです。
・1つ星 – その分野で特に美味しい料理
・2つ星 – 極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
・3つ星 – それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
ミシュランガイド東京2021では、3つ星12件、2つ星42件、1つ星158件が掲載されています。
なお、レストラン部門は「3つ星」が最高得点ですが、ホテル部門は「5つ星」が最高得点になっています。
ビブグルマンって何?
ビブグルマンは星とは別に、以下の基準で選出されるお店です。
・ビブグルマン-コストパフォーマンスが素晴らしいお店
東京版では5000円以下でコース料理やアラカルトが楽しめる店が選出されます。ミシュランガイド東京2021では233のレストランが選出されました。
ラーメン、そば、焼き鳥、お好み焼き、居酒屋など、普段の外食でも行きやすい店が選ばれています。エスニックなども選ばれることがあり、東京2021版ではモロッコ料理店のビブグルマン選出が話題になりました。
2021年からの基準グリーンスター
ミシュランガイドには最近、星とは別にグリーンスターという基準も導入されました。東京版では2021年からグリーンスターが導入されています。
・グリーンスター-サステナビリティを積極的に推進しているレストラン
フードロス削減の取り組みや、環境に配慮した生産者への支援を行っているレストランが選出されます。フードロスに配慮して子牛ではなく経産牛の肉を使っているレストラン、過疎化が進む里山へ毎年訪れて森林整備を行っているレストランなど、東京2021では6店が選ばれました。
快適さの基準もある
星、ビブグルマン、グリーンスターに選出されたお店をミシュランガイドで見てみると、快適さをあらわす「交差したスプーンとフォークのマーク」が全てのお店についています。
・マーク1つ-適度に快適なレストラン
・マーク2つ-快適なレストラン
・マーク3つ-極めて快適なレストラン
・マーク4つ-豪華で最高級なレストラン
さらにそれぞれのマークには黒・赤の2種類があり、赤いマークはそれぞれの基準の中で「特に魅力的」なものをあらわしています。
ミシュランガイドの豆知識
ここからは知ればミシュランガイドをもっと楽しめる豆知識を紹介します!
お得に情報を得るなら公式サイトを活用しよう
ミシュランガイドは本のほか、オンラインでも情報提供を行っています。公式サイトを利用するとお得に情報を集められます。
「星」は「☆」じゃない?!
ミシュランの「星」は、「☆」ではなく「*(アスタリスク)」で表記されています。
3つ星を「☆☆☆」と記述するのは、実は誤りです。
ミシュランガイドはタイヤメーカーの販促戦略として作られている?!
ミシュランガイドはタイヤメーカー「ミシュラン」が、お客さんにもっとドライブを楽しんでもらうために配ったフリーペーパーから始まりました。ドライブで訪れたくなるレストランやホテルがたくさん掲載された赤い表紙の小さなフリーペーパーは大好評に。次第に情報量を増やして進化し、今日のミシュランガイドの形になりました。
ミシュランは今もタイヤ販売戦略の一環として作られており、ミシュランガイドが販売された国ではミシュランタイヤの売り上げが大幅に伸びるそうです。
なお、ビブグルマンの「ビブ」はミシュランタイヤのイメージキャラクターの名前で、ビブグルマンのマークには「ぺろりと舌を出したビブの顔」のマークが使われています。
美食ガイドの「レッドブック」のほかに「グリーンブック」もある?!
もともとドライバーのためのフリーペーパーとして始まったミシュランガイド。初めはレストランやホテル情報のほかに、観光地やガソリンスタンドの情報も載っていました。
その流れをくんだ旅行ガイド「ミシュラン・グリーンブック」も販売されています。グルメガイドが赤い表紙なのに対し、旅行ガイドは緑の表紙なのが特徴。
日本では販売されていませんが、2009年には日本旅行者向けの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンブック・ジャポン」が海外で発売されています。
世界ではこちらも有名!ゴ・エ・ミヨ
赤い表紙で「レッドブック」とも呼ばれるミシュランガイドに対し、「イエローブック」と呼ばれるゴ・エ・ミヨ。料理評論家のアンリ・ゴーとクリスティアン・ミヨがはじめたフランス発祥のレストランガイドです。
日本ではあまり知名度がありませんが、海外ではミシュランと並ぶ影響力をもつ美食ガイドブックです。
ゴ・エ・ミヨの評価基準
ゴ・エ・ミヨでは星ではなく「トック(コック帽)」と20点満点の点数評価でランクをあらわしています。
5トック:全てに卓越したレストラン(19~20点)
4トック:非常に素晴らしいレストラン(17~18.5点)
3トック:素晴らしいレストラン(15~16.5点)
2トック:料理人の個性を感じるレストラン(13~14.5点)
1トック:良いレストラン(11~12.5点)
トックなし:美味しいレストラン(10~10.5点)
POP(ポップ):評価ではなく、料理・スタイル・お店の雰囲気など、特筆すべき美点のあるお店を紹介
ミシュランガイドで高評価を受けているお店は、ゴ・エ・ミヨでも高評価を受けているケースが多いです。
ですがミシュランガイドとゴ・エ・ミヨは選定機関も選定基準も異なるので、かぶっていないレストランももちろんたくさんあります。選ばれている件数やジャンルが多いミシュランの「ビブグルマン」とゴ・エ・ミヨの「POP」は特に、見比べてみると面白いかもしれません。
美食ガイドを活用して美味しい料理を楽しもう
格式高いレストランから普段使いしやすいレストランまで、「ここは間違いない」と言えるレストランがたくさん掲載されているミシュランガイドとゴ・エ・ミヨ。
ハレの日の特別料理から、普段のちょっとした楽しみとしていただく料理まで、ぜひ活用して毎日の食事を楽しんでくださいね。