節分では、豆まきや恵方巻きを食べるといったイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、節分には他にも様々な食べ物を用意する風習があります。そこで、節分に食べると縁起が良い食べ物や、地域ごとの違いについて紹介します。
目次
節分とはどういう行事?
小さい頃から、節分に豆まきをしたり特別な食事をしたりといった習慣があっても、そもそも節分がどのような行事なのか知らないという方も多いでしょう。そこで、節分の由来や風習について簡単に紹介します。
節分とはいつを指すのか
昔の日本では、立春・立夏・立秋・立冬など、季節が変わる日の前日を節分と呼んでいました。つまり、季節ごとに節分があったのです。現在では1月が年の始まりですが、昔は春の始まりである立春から新年がスタートしていました。立春の前日の節分に豆まきをして、病気を払って新年を迎え、1年間健康に過ごせるようにと願ったことから節分が始まったのです。
豆まきの風習について
節分に行う豆まきは、病気を鬼に見立てて追い払うという目的で始まりました。また、穀物に精霊が宿っているといわれていたことから、「大豆(穀物)にも病気を払えるような精霊が宿る」とさわれており、豆まきで大豆が使用されています。節分の豆まきでは、大豆を炒って作った福豆を使うことが一般的です。
節分に食べると縁起が良い食べ物
節分に食べると縁起が良いとされる食べ物はいくつかありますが、なかでも多くの地域で食されているものを紹介します。
大豆
大豆は、「魔物の目に豆を投げて追い払う」という意味があることから「魔目(まめ)」→豆と呼ばれるようになったといわれています。さらに、「1年を健康に過ごせるように」という意味を込めて、歳の数だけ豆を食べることが特徴です。
なお、5歳以下の子供が大豆を食べる際には十分に注意しなければなりません。5歳以下の子供の気管は非常に細く、大豆を食べることによって窒息や誤嚥といった命に関わるトラブルが起こることがあります。子供が食べる際には、小さいサイズのものを準備しましょう。
恵方巻
現在では全国で食べられていますが、元は関西で食べられていた縁起物です。恵方巻きを食べるようになった由来は諸説ありますが、大阪で商売繁盛を祈願して食べたのが始まりだとされています。
恵方巻きは七福神を表した7種類の具材を使用し、福を食べることによって商売繁盛や無病息災を祈願します。さらに、恵方巻きは細長く鬼のこん棒にも似ていることから、食べきることで鬼退治ができたという意味も込められていることが特徴です。
また、恵方巻きは包丁で切らず、1本食べきることで「様々なものとの縁を切らない」という意味も込められています。しかし、恵方巻きはボリュームがあるため食べきるのは難しい方もいるでしょう。食べきれない場合には無理をせず、短く切ったものを食べても問題ありません。
なお、恵方とは1年のなかで縁起が良い方角を指しており、恵方巻きは恵方を向いて無言で食べる風習があります。
落花生
節分の豆まきで使用されるのは大豆が多いですが、大豆ではなく落花生を撒くこともあります。落花生が使用される理由としては、掃除がしやすいためです。大豆は家具の隙間に入ってしまい掃除をするのに時間がかかるため、落花生を撒くようになったという由来があります。また、落花生は家具の隙間に入り込みにくい大きさであること以外にも、皮を剥いて食べることも可能なことなど様々なメリットがあります。
いわし
いわしは鬼が嫌う匂いだと言われており、鬼を払うために準備します。節分ではいわしを焼いて柊の枝に刺したものを玄関に飾ると、鬼が自宅に入ることを防ぐとされていました。また、いわしの匂いだけではなく、「柊には棘があり痛いため鬼を追い払える」という意味もあったといわれています。
クジラ
クジラは非常に大きいことから、大きい食べ物を食べることによって大きく年を重ねる(長寿になる)という意味があります。四国地方では、クジラ漁が盛んだったことから、クジラが食べられるようになったともいわれています。
とろろ
山芋は鬼の角のような形状をしていることから、節分に鬼を退治するという意味を込めて、すりおろして食べる風習があります。また、とろろはぬめりがあるため、「鬼が滑って自宅に侵入できない」という意味もあります。
福茶
福茶は、梅干しや昆布を入れたお茶です。梅干しは松竹梅のおめでたい植物であり、昆布は「喜ぶ(こぶ)」といった意味が込められているため、梅干しと昆布を入れます。
ナマコ
地域によっては、「砂おろし」とも呼ばれるナマコの酢の物を食べる風習があります。砂おろしと呼ばれる理由は、ナマコが砂と一緒に栄養を吸収する性質があり、砂のみを排出し栄養を取り込んで成長するためです。ナマコの性質は、「体内の老廃物を除去する」と捉えられるため、縁起物として食べられています。
そば
昔は立春がお正月だったため、江戸時代には節分でそばを食べて年を越していました。現代ではお正月に用意する年越しそばと同様の意味が込められており、節分でもそばを食べることが多いです。具材に関しては、くの字に曲がった形が「腰が曲がるまで長生きできる」とされる長寿の象徴のエビや、「労う」といった意味があるネギを使うと良いでしょう。
節分の食べ物は地域ごとに違う
節分の食べ物としては、大豆や恵方巻きがポピュラーですが、関東や関西など地域ごとに食べ物に違いがあります。
関東では、節分でけんちん汁を食べることが多いです。寒い時期に行う節分で体を温めるために、けんちん汁を食べる風習があります。
関西では、節分はお正月と同様の意味があるとしてお蕎麦を食べる風習があります。
その他にも、都道府県ごとに節分の食べ物に細かい違いがあるため、住んでいる地域の風習をチェックしてみるのも良いでしょう。
節分には縁起が良い食べ物を準備しよう
節分は、大豆や恵方巻を食べることが有名ですが、ほかにも様々な食材を使った料理を食べる風習があります。ただし、地域によって食べ物の種類が異なるため、自分が住む地域に根付いた食べ物を確認することがポイントです。節分は、旧暦では大晦日を指しているため、12月31日の大晦日と同じように心機一転する目的で行事を楽しんでみるのも良いでしょう。
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