年越しそばの意味とは?由来や食べるタイミングを解説

2021.10.29

行事や風習の中には時代の移り変わりと共に消えてしまうものも少なくありません。しかし、たとえば「年末に年越しそばを食べる」といった風習は、風雪に耐えて長く生き続けています。

年末はこたつに入って家族団欒。テレビを見て、年越し蕎麦を食べて、初詣に行く。毎年決まった過ごし方をするという人も多いと思います。

この記事では、そんな年越しそばにスポットを当てて、意味や由来、地域性などについて解説していきます。

年越しそばを食べる意味とは?

年越しそばとは、大晦日である12月31日に食べるそばのこと。新しい年を迎える直前に食べる習慣から、年を越す=年越しそばと呼ばれるようになりました。

年越しそばを食べる意味はいくつか伝えられています。ひとつは、細く長い蕎麦の形状にかけて、長寿を願って食べるというもの。蕎麦の栄養価の高さから、長寿や延命につながるという解釈もあります。年越しそばには長寿蕎麦という別名もあるくらいです。また、一族の繁栄が末永く続くことを願って、細長い麺の蕎麦を食べるようになったという説もあります。このふたつの意味を踏まえると、食べるときはなるべく麺が切れないように上手にすするようにしましょう。

その他、蕎麦を縁起物として捉える見方もあります。もともとの蕎麦はつなぎを使わない十割蕎麦だったため、すするときに切れやすいという傾向がありました。そこから、厄災を断ち切ってから新しい年を迎える、という意味もあります。年越し蕎麦ではなく、かつては縁切り蕎麦とも呼ばれていました。また、蕎麦の実(み)は五臓六腑を清めるという言い伝えから、体をきれいにしてから新年を迎えるために、大晦日に蕎麦を食べる習慣が定着したという説もあります。

そばの形状に合わせて健康長寿を祈念するという説と、旧年のしがらみを断ち切って新しい年を清々しく迎えるという2つの説が有力と言えそうです。

年越しそばの具が持つ意味

年越しそばに使われるトッピングにもそれぞれ意味があります。大晦日に食べて今年の労をねぎらうのがネギ。神職の職名のひとつである祢宜(ねぎ)にかけて、ネギを縁起物とする見方もあります。

大根おろしは、食あたりを防ぐ効果から、難に当たらない縁起物と解釈されました。さらに大根は、もともと薬味として使われていたため、薬をおろす=厄を落とすに変化したという説もあります。

年越しそばを彩るものにニシンやエビがあります。北海道や関西地方にて伝えられている年越し蕎麦にニシンをのせる習慣は、「二親」という当て字から、子孫繁栄という意味があると言われています。また蕎麦のトッピングの定番であるエビは、ひげが長く腰が曲がっている姿を老人に見立てて、不老長寿のシンボルとされてきました。とくに赤く目玉が飛び出しているエビは、威勢の良さから「めでたし」の縁起物と捉えることもあります。

年越しそばの由来とは?

年越しそばの由来には諸説ありますが、ここでは代表的なものを2つ紹介します。

蕎麦そのものの歴史は古く、9,000年以上も前から栽培されていたことが、遺跡調査などから明らかになっています。当時は麺ではなく、蕎麦の実をゆでてお粥のようにして食べることが多かったそうです。その他、粉にしたものを練って蕎麦がきにする、あるいはそれを焼いて食べることもあったそうです。とはいえ、当初の蕎麦は庶民が飢えをしのぐための食材に過ぎず、上位階級が食べることはなかったようです。

蕎麦を麺にして食べるようになったのは江戸時代。蕎麦がきが浸透していたことから、蕎麦切りという呼び名で区別していました。当時は、つなぎを使わないため麺が切れやすく、せいろで蒸して提供されていたとのこと。商人たちは、月末にみそかそば(三十日蕎麦)を食べる習慣があり、そのうち12月末に食べる習慣だけが残った、それが年越しそばの由来とされています。

年越しそばの由来としてもうひとつ言われているのが、博多の承天寺でふるまわれた「世直し蕎麦」です。鎌倉時代、貿易商をしていた謝国明という人物が、年の瀬を越せないほど貧しかった町人のために蕎麦餅をふるまいました。すると、蕎麦餅を食べた人はみんな良い年を送れたという話が広まり、大晦日に蕎麦を食べるようになったという説があります。そこから、今でも博多の一部では年越しそばを「運蕎麦」あるいは「運気蕎麦」と呼ぶことがあるそうです。

年越しそばを食べるタイミング

一般的に年越しそばは大晦日に食べるというイメージがあるものの、食べるタイミングがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。厄を落とすという意味から、年をまたいで食べるのは縁起が悪いと言われることもあります。しかし実際は、年が明ける前に食べる、年をまたいで食べる、年が明けてから食べるなど、年越しそばを食べるタイミングは地域により異なります。

例えば福島県会津地方には、元旦に蕎麦を打ち、それを食べて新年を祝うという習慣が残っています。また新潟県では、小正月の前日である1月14日に蕎麦を食べる、「十四日そば」という習慣が残っています。このように、食べるタイミングには地域差があるものの、基本的には厄を新年に持ち越さないように、年があける前に食べ終わらせるのが基本です。

地域で異なる年越しそば

年越しそばの味は、かつおぶしでダシをとって濃口醤油で味付けした関東風と、こんぶでダシをとって薄口醤油で味付けした関西風に分かれます。関東風のトッピングは天ぷらが基本。関西風はにしんの甘露煮を乗せます。北海道については、関西風と同じように、にしんの甘露煮を乗せるスタイルが浸透しています。

その他、新潟県の一部の地域では、へぎと呼ばれる薄い木の器に蕎麦を盛ったへきそばを大晦日に食べる習慣があります。布海苔という海藻をつなぎに使った、薄い緑色の麺を使うことが特徴です。岩手県の花巻や盛岡では、昔から自分の年齢分のわんこそばを食べるのが定番。ネギ、とろろ、大根おろし、オクラ、塩辛など、小皿に盛られたさまざまなトッピングが彩りを添えます。

おせち料理に飽きてきたときは

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