空腹だと眠れないのはなぜ? すぐに取り組める改善方法を解説

2021.09.29

眠れないストレスは誰しも経験したことがあるでしょう。特に空腹であると、そちらが気になってしまってなかなか寝付けないという人も多いです。
眠れないとストレスが溜まり、健康に悪影響を及ぼすこともありますし、寝不足で翌日の仕事や授業に臨むのも大変ですよね。
この記事では、なぜ空腹を感じると眠りにつきにくいのか、夜空腹を感じる理由と、空腹で眠れない時に最適な夜食について詳しく紹介します。

空腹で眠れないのはなぜ?夜にお腹がすく理由

まず、なぜ眠ろうとする時にお腹がすくのか、そして空腹になると眠れないのか、主な理由を紹介します。

夕食から布団に入るまでの時間が長い

眠ろうとする時にお腹が空いてしまう一番の理由は、夜ふかしの習慣がある人には特に当てはまります。

食事をした後、食べ物が消化されるまでの時間は3~5時間ほどです。夕食を8時に摂ったとしたら、11時から翌1時の間には消化が終わることになります。

しかし、消化が終わる=空腹を感じる、ではありません。個人差はありますが、一般的に空腹感は最後の食事から5~6時間後から感じ始めます。つまり8時に夕食を食べて夜ふかしをしていると、深夜の1~2時くらいには本格的にお腹が空き始めることになります。

食後しばらくして小腹が空くのとは違って、こちらの本格的な空腹感は、少々のことでは紛らわせられません。空腹感がつのり、頭もだんだん冴えてきて、本格的に夜食を摂らなければおさまらなくなります。

特にダイエット中の人などは、遅い時間に食事をすると太る、と言われることが気になって、夕食だけは早めに摂るという人が少なくありません。それで11時ごろ眠れば問題ないのですが、あれこれしているうちに時間が過ぎて、いざ眠ろうとするとお腹が空いている。ダイエットのはずが、結果的に夜食を摂って、直後の睡魔で寝てしまうという、最悪のパターンに陥ってしまいます。

早い時間の夕食を変えられないのであれば、早めに寝る習慣をつけて、その分早起きして用事を済ませるのが理想です。眠る時間を動かせないのであれば、それにあわせて夕食の時間を遅くすることで対応しましょう。

血糖値の低下が空腹感をもたらす

人間は、血糖値が下がることによって空腹を感じます。糖質が高い食品を摂取すると血糖値が急上昇し、その後は同等のスピードで急下降します。十分に食事をとっても早めに空腹を感じ始めたり、空腹で眠れないと感じたりする場合、夕食で糖質が高いものを食べた可能性があります。
夕食を摂る時間が早い時や深夜まで起きていなければならない時は、糖質が低い食事を摂るよう心がけましょう。
また食事をする際、血糖値の上昇を緩やかにする低GI食品を摂取するのがおすすめです。低GI食品はヨーグルトや玄米などが挙げられます。白米を玄米に替える、デザートはヨーグルトにするといった工夫をしてみてください。

食べてすぐ寝ると何がいけないのか

空腹時に良い眠りにつけないように、満腹時の睡眠もよろしくないと言われます。それはなぜなのでしょうか。食べてすぐ寝ると牛になると言われますよね。

活発な消化活動が良質な睡眠を阻害する

人はお腹がいっぱいになると眠くなります。お腹いっぱいまで食べると、血糖値が急上昇してインスリンの分泌が追いつかなくなり、脳にブドウ糖が行き渡らなくなって眠気を誘います。

この状態で寝てしまうと、胃腸は消化しようと活動を活発化させるため、眠りが浅くなるなどの弊害があります。また、夜間は消化・吸収を助ける消化酵素が減少するため、消化しきれなかった食べ物が胃に残り、翌朝の胃もたれや不快感の原因にもなります。

食べてすぐ寝ると牛になるのか? 

「食べてすぐ寝ると牛になる」と言われたことがある人もいるでしょう。

牛には嚥下したものを口に戻して何度も噛んでは飲み込む「反芻(はんすう)」という習性があります。横になるとこの反芻がしやすくなるため、牛は食後すぐに横になろうとするのです。

人間の場合は反芻はしませんが、「牛になる」は、食べてすぐ寝るお行儀の悪さを指摘するための言葉です。

ただ、食べてすぐ寝ることで血中の糖がほとんど使われず、そのまま脂肪として蓄積され、結果として太りやすくなるとも言われています。

眠る時に空腹を感じないようにする方法とは

眠る時に空腹を感じないようにする1番の方法は、毎日眠る時間を決めて習慣化し、夕食後の本格的な空腹感が襲ってくる前に寝てしまうことです。睡眠の質は空腹すぎても満腹過ぎても低下しますので、眠る2~3時間前に夕食をとるよう心がけましょう。

遅い時間に夕食をとる場合は消化に良い食べ物を

食べ物には、消化に良いものと悪いものがあります。消化しやすい食べ物としては、吸収が早く繊維質が少ない食材や柔らかく煮た食材、乳製品などが挙げられます。反対に消化しにくい食べ物としては、繊維質が多いものや硬いもの、魚介類や脂質が多く含まれる肉類などが挙げられます。特に夕食では、消化しやすい物を食べましょう。

消化しやすい食材は、就寝前に食べても胃の中に長時間残らず、短い時間で吸収されます。遅い時間に夕食をとる場合は、消化に悪い食材はなるべく避けて、可能な限り消化に良い食材を取り入れましょう。それにより、遅い時間に就寝する場合でも空腹になりにくく、睡眠の質の低下も避けることができます。

ただし、消化しやすい食べ物でも、先述したように満腹になるまで食べてしまうと、胃腸に負担がかかるうえ、血糖値の急上昇と急降下が発生して早めにお腹が空いてしまいますので、腹八分目を意識して食べるようにしましょう。

空腹で眠れない時の対処法

いろいろ試してはみたけど、やっぱり寝る時にお腹が空いてしまった。空腹が気になって眠れない。そんな時は、以下の方法を試してみてください。

水分を摂取する

お腹の中に何も入っていないと強い空腹感を覚えますが、水分を摂取することで多少は空腹感を紛らわせることができます。

また寝る前に水分を摂取することで、睡眠の質を向上させる効果も期待できます。人間は就寝中も血液が循環しており、内臓が機能しているため、水分が足りなくなると血流不良を起こして睡眠の質が下がってしまうからです。

空腹で眠れないといったことを避けるためだけではなく、睡眠の質を向上させるためにも、就寝前に水分を摂る習慣をつけましょう。しかし、水分を摂取しすぎるとめまいや頭痛を引き起こすことがあるため、適量の水分を摂取することが大切です。

ホットミルクや白湯、ハーブティーなどがおすすめです。

夜食をとる

水分だけでは空腹がおさまらない時は、軽く夜食をとるのも有効な方法です。その際は睡眠の質を落とさないためにも消化に良いものを食べましょう。

具体的には、おかゆや雑炊、柔らかくしたうどんなどがおすすめです。

カロリーが低く満腹感を得られるものを食べる

眠る前に夜食をとる場合は低カロリーで満腹感を得られやすい食べ物を選びましょう。副交感神経を優位にする効果が期待できる「セロトニン」の分泌に役立つ「トリプトファン」が含まれている大豆食品や牛乳を摂取すると満腹感を得やすいでしょう。

就寝前に夜食を摂った場合は、翌日の朝食や昼食の摂取カロリーを制限してトータルカロリーを調整しましょう。

夜食に最適な作り置きおかずを準備する

空腹で眠れないことが多いのであれば、夜食用の作り置きおかずをあらかじめ準備しておくことをおすすめします。空腹で眠れない状態になってからあわてて食事を作ったり、夜食に適した食材を選んだりしていては、睡眠時間がますます削られてしまいます。作り置きの夜食をさくっと食べて気持ちを切り替えて、質の良い睡眠を取るようにしましょう。

空腹で眠れないときの対策は計画的に

空腹で眠れないことが続くようであれば、生活の流れを見直す必要があります。

空腹すぎたり満腹すぎたりすると睡眠の質が落ちるので、夕食から2~3時間後くらいに就寝するのがベストです。

就寝時間を早くするのが難しい場合は、思い切って夕食の時間を遅くすることも考えてみましょう。

それでも空腹で眠れない時は、ストレスを抱えて睡眠時間がさらに短くなるよりも、気持ちを切り替えて、水分や軽めの夜食をとって良質な睡眠を確保できるようにしましょう。

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