回らない寿司屋に行った際、寿司屋特有の業界用語を使いこなせると「ツウ」な印象を持ってもらえます。味はもちろんですが、せっかくの寿司屋ではその雰囲気も楽しみたいところ。業界の言葉や作法を知っておくことで、「寿司」をさらに深く楽しめるようになります。
また、Sushiは今や押しも押されぬ世界の人気フードです。海外の方を国内の本格的な寿司屋へ連れて行く機会もあるでしょう。寿司屋特有の業界用語を英語で何と表現するか知っておくと、そうした方とコミュニケーションを楽しみながら寿司をいただくことができるでしょう。
この記事では、寿司屋特有の業界用語を解説するほか、英語でそれをどう表現するかについてもご紹介します。また、ぜひ覚えておきたい寿司屋特有の最低限のマナーについてもご紹介します。
目次
寿司屋で使われることが多い用語
寿司屋で使用されることが多い用語を英語表現とあわせて紹介します。
アオイソ
アオイソはしそ(紫蘇)のことです。ただし、お客さんが使用するケースは少なく、お店の従業員同士が話す時に使われます。
しそは英語でperillaと呼びますが、日本語のshisoでも通じます。
あがり
あがりとは、お茶を指します。昔、「食事の最後に飲むお茶」と「お客さんが帰ること」をかけて「上がり花」と言われていたことから、「あがり」と略して言うようになりました。茶といえば挽いて飲むもの。茶を挽くのは暇な人の役割だったことから、暇=客がつかないことを嫌って、花柳界では「お茶」という言葉を使わずにお茶を表す表現が必要だったとされています。
英語では普通にgreen tea(緑茶)で伝わります。お茶は何杯飲んでもfree(無料)です。
シャリ
すし飯のことをシャリと呼びます。お釈迦様の骨を舎利や仏舎利と呼びますが、火葬した後の細かく砕けたお骨が米粒に似ていることからついた呼び名とされています。センマツとも呼ばれ、使うといかにもツウっぽくなります。
英語では、正確に言うとvinegared rice(酢飯)になりますが、sushiは今や世界の共通語になっていますので、簡単にsushi riceで通じます。
ドンシャリ
ドンシャリは、お酢を混ぜていないお米を指します。酢飯以外は「ドンシャリ」と覚えておきましょう。
付け台
付け台とは、カウンターの握り寿司を置くスペースです。付け台に置いて良いのは寿司のみで、食器等を乗せないように注意しましょう。
英語ではcounter(カウンター)になります。寿司屋のカウンターのことをsushi barと呼んだりもします。
ネタ
シャリにのせる寿司の具のことをネタといいます。寿司ネタという言葉もかなり浸透していますね。寿司種の種が語源で、タネをひっくり返してネタと呼びます。芸人の演目を称して「ネタ」と呼びますが、これも素材、題材といった意味合いの「種」をひっくり返してできた言葉です。
やま
やまは、ネタが切れた状態のことを指します。当日準備していたネタがなくなった時に「○○がやま」という言い方をします。「大将、今日◯◯ある?」「今日はあいにくやまでして」といった感じで使います。売り切れ、切れる、のような縁起の悪い言葉を極力使わないようにする工夫が見られて興をそそりますね。
英語で「切らしている」はrun out of~と表現します。ちなみに寿司ネタはsushi itemやsushi toppingと表します。
なみだ
なみだは、わさびのことです。わさびがツンとしみると涙が出ることからこのように呼ばれます。イキな表現ですよね。
わさびは英語でもwasabiです。立派な世界共通語です。わさび抜きはsushi without wasabiで通じます。
おてしょ
おてしょは、「御手塩」が由来となった言葉で、醤油などを入れる小皿を指します。寿司を食べる時だけではなく、他の料理を食べる際にもお醤油を入れる皿は「おてしょ」と言われることがあります。
英語ではshallow dish(浅い皿の意)などと呼びます。
しんこ
しんことは、コハダのことです。「しんこ」は、コハダが小さい時に使用されます。なお、「コノシロ」はコハダが最も大きい状態の時に使用します。
コハダは英語でGizzard Shadと言いますが、kohadaで通じることもあります。
かたおもい
かたおもいとは、アワビを指します。恋愛とは関係ない由来で、アワビは片方にだけしか貝殻がついていないため片方のみが重いということから、かたおもいと呼ばれています。
あわびは英語でAbaloneです。片思いの用語の由来を説明してあげると面白がってくれるでしょう。
はかりめ
はかりめは、アナゴのことです。アナゴの模様は天秤の測る場所に似ているという由来から、はかりめと言われています。
アナゴは英語でConger eelと言います。anagoで通じる場合もあります。
ぎょく
ぎょくは、卵焼きを指します。「玉」という字の読み方から由来しています。
英語ではseasoned omlettと呼んだりします。
たま
たまは、赤貝のことです。赤貝は身が丸くふっくらとしていることから、たまと言われています。
赤貝は英語でark shellやred clamと呼びます。
寿司屋で食事をする際のマナー
寿司屋では、用語を理解してスムーズに注文したり、板前とのコミュニケーションを取ったりすることが大切です。また、寿司屋で食事をする際には、服装や所作のマナーを守ることも非常に重要だとされています。厳しい店だと入店拒否されることもあるので注意しましょう。
服装について
寿司屋で食事をする際には、服装に注意が必要です。高級店の場合にはお店の雰囲気に適した装いをすることがマナーで、Tシャツやジーンズ、サンダルといったラフな服装は避けるべきでしょう。
香水は付けない
お寿司屋さんで食事をする際には、香水をつけないようにしましょう。お寿司は非常に繊細な料理であり、おしゃれや良い香りだからという理由で使用すると、料理の味を邪魔してしまいます。
さらに、カウンターで食べる場合には、隣に座ってるお客さんが香水の匂いを不快だと感じる場合もあるでしょう。カウンターで食事をする場合には、自分の好みやおしゃれだけではなく、周囲のお客さんに対しても配慮することが重要です。
また、香りの変化を見極めながら寿司を握る職人も多いため、職人の仕事の邪魔をしないためにも香水をつけて行くのは控えましょう。お寿司屋さんに行く際には香りに関して意識し、自分が良い匂いだと思っても香水をつけたり匂いが強い柔軟剤は使わないでおくのが賢明です。
寿司屋に行く直前にタバコを吸わない
近年では基本的に禁煙の寿司屋がほとんどですが、個人店の場合には喫煙できる場合もあります。寿司屋でタバコを吸うと新鮮なネタの香りが台無しになるうえに、タバコの香りが残っていると繊細なネタを堪能できません。
さらに、周囲のお客さんにも迷惑がかかるため、喫煙しても良い寿司屋であっても、基本的にはタバコを吸わないことがマナーだといえます。
また、高級店の場合には、来店する前にタバコを吸うと洋服に匂いがつくためマナー違反となり、お店によっては入店を断られることもあります。
寿司の食べ方に関するマナー
寿司屋で注文する際のマナーや、寿司を美味しく食べるためのポイントを紹介します。
味が薄いネタから食べる
コースを注文するのではなく自分が好きなものを注文するというシステムの場合は、味が薄いネタから食べるようにしましょう。貝や白身といったものから食べて、次に赤み、うなぎなどの順番で食べます。次に軍艦巻き、最後に玉子、味噌汁を注文するのが一般的なマナーです。
近年では、「お客さんが好きなように注文して欲しい」という寿司屋が多いため、食べ方の順番に関して厳しくマナーを守らなければならないというわけではありません。
しかし、味が薄いネタから注文することで、新鮮なネタをしっかりと味わえます。味の濃いネタを先に注文して食べると、薄味のネタの繊細な味わいを感じられなくなることもあるでしょう。また、味噌汁や玉子を最後に食べる理由は、店がこだわった出汁を使用しているためです。お店のこだわりの出汁を使った味噌汁や玉子を最後に食べることによって、お店に敬意を表することにもつながります。
寿司は出されてからすぐに食べる
職人が握ってくれた寿司は、出されてからすぐに食べるようにしましょう。新鮮なネタを最高の状態で楽しむために、出された直後に食べることが大切であり、マナーでもあります。
ただし、目上の人と寿司を食べている場合、相手が先に食べなければ自分も食べられないということもあります。会話が途切れた時に寿司を食べられるよう、「このお寿司美味しそうですね」などと話を振ってみると良いでしょう。
気兼ねなく寿司を楽しむならシェフくるに依頼
寿司屋で使用される用語は、紹介したもの以外にもたくさんあります。高級な寿司屋になると、用語を覚えていることはもちろん、マナーについてもしっかり理解していなければならず、気負ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、自宅にシェフが食材持参で出張してきてくれるシェフくるの利用がおすすめです。厳しいマナーもまわりの客を気にする必要もなく、プロが握った寿司を心ゆくまで堪能できますよ。