日本の行事食とは?年間の行事食や由来を詳しく解説

2021.05.25

日本には美しい四季があり、季節の移り変わりと共に古くから伝わるさまざまな伝統行事を楽しめます。

日本の行事にはそれぞれ由来や意味、しきたりがありますので、それらに則って正式にやってみるというのも一興ですし、また、一歩進んでそれぞれの行事食を用意してみることで、日本の行事をさらに深く楽しむことができるようになるでしょう。

家族や気の合う仲間と食卓で行事食を囲めば、特別な思い出として皆の心に長く残り、「また来年も」「今年も」とさらに親交を深めることにもつながります。

この記事では、日本の行事や行事食にはどのようなものがあるのか紹介すると共に、行事食の由来にまつわるワンポイントなどもお伝えします。

初めに日本の行事を確認

「食」の前に、まずは日本の年間行事にはどういったものがあるか、下表に一覧で表示しましたのでご確認ください。

行事の日時

行事の名称

内容

1月1日

元旦

おせち料理を食べたり、初詣に出かけたり。

1月11日

鏡開き

お正月にお供えした鏡餅を下げて無病息災を願いながらいただく。

1月第2月曜日

成人の日

各地で成人祝いが開催。

2月3日

節分

豆まき。恵方巻き。

2月4日

立春

二十四節気のひとつ。

2月14日

バレンタインデー

チョコレートを贈る。

3月3日

ひな祭り

ひな人形を飾る。ひなあられ。

3月14日

ホワイトデー

バレンタインデーのお返しをする日とされている。

4月1日

エイプリルフール

嘘をついても良い日とされる。世界的な行事。

4月上旬〜中旬

花見

開花した桜を酒食を楽しみながら愛でる。

4月29~5月5日

ゴールデンウィーク

大型連休。

5月5日

こどもの日

端午の節句。子供たちのすこやかな成長を願う。

5月第2土曜日

母の日

母親へ感謝の気持ちを表わす。

6月第2土曜日

父の日

父親へ感謝の気持ちを表わす。

7月7日

七夕

短冊に願いを書いて笹にかける。

7月初旬~8月初旬

お中元

お世話になっている人へ感謝の気持ちをこめて贈り物。

7月中旬~8月中旬

花火大会

全国各地で開催。

8月13日~16日

お盆

先祖をまつる。

9月9日

重陽の節句

別名菊の節句とも。

9月~10月中旬

十五夜

満月を見ながら豊作を願う。

9月17日~24日

シルバーウィーク

敬老の日を中心に秋の連休。

10月31日

ハロウィン

本来は収穫祭だが日本では仮装大会化。

11月15日

七五三

7歳、5歳、3歳になった子供の無事を感謝し、成長を願う。

12月13日~20日ごろ

お歳暮

お中元の冬版。

12月22日

冬至

柚子湯。かぼちゃ。

12月24日~25日

クリスマス

サンタクロースの贈り物。若いカップルはデート。

12月31日

大みそか

大掃除。年越しそば。紅白。

そもそも行事食とは?

「行事食」と聞いてもあまり馴染みがないかもしれませんが、実は私たちは知らず知らずのうちに行事食を楽しんでいます。

たとえば、一番わかりやすいのが「おせち」料理。正月に親戚などが集まり、皆でおせちをいただきながら、1年間の無病息災を祈ります。

元旦の前日は大晦日で、全国的に「年越しそば」を用意するご家庭も多いでしょう。“長く生きる”と願いをこめて、無事に年を越せるようにとゲンをかつぎます。

このように行事食とは、季節や節目の行事、特別なお祝いの日などに食べる特別な食事のことを指します。

旬の食材を味わえるのはもちろん、家内安全や健康祈願などの意味も込められているのが特徴です。

年間の行事食を一挙紹介

地域によって風習は多少異なるものの、一般的な日本の行事と行事食は以下の通りです。

【1月の行事食】

・正月 おせち、雑煮

・七草 七草がゆ

・鏡開き 鏡餅、おしるこ

<ワンポイント>

七草がゆには、豊作祈願と無病息災を願う意味があります。

もともとは中国から伝わった風習で、「1月7日に7種類の野菜が入った汁をすする」という習慣から定着したといわれています。

七草がゆが中国から伝来したころ、日本には「若葉摘み」という習慣がありました。これは1年のはじめに若葉を摘むことで、“生命力をいただく”という意味があったとされています。

この「若葉摘み」に中国の風習が混ざることで、「1月7日に7種類の若葉を入れた粥を食べる」という今の「七草がゆ」の習慣へと変化していったのです。

江戸時代から伝わる鏡開きの習慣ですが、正月に神仏に供えた鏡餅を下げていただくことで神仏への感謝の気持ちを示し、無病息災を祈願します。当時の武家では刃物で餅を切るのは切腹を連想させて縁起が悪いとし、餅は手や木槌で割り、餅を「開く」という言い方をするようになったとされています。

【2月の行事食】

・節分 福豆、恵方巻

<ワンポイント>

古来より、穀物には邪気払いの力があるといわれています。

もちろん豆も例外ではありません。

鬼に豆をぶつけることで、邪気払いと共に1年間の無病息災が期待できるとされています。

【3月の行事食】

・ひな祭り ちらしずし、桜餅、はまぐりの吸い物、ひなあられ

・春の彼岸 おはぎ、ぼたもち

・花見 花見たんご

<ワンポイント>

ひなあられの由来は、実は子どもたちの遊びにあります。

江戸時代、子どもがひな人形を家から持ち出してさまざまな人に見せる……という「ひなの国見せ」という風習がありました。

このとき、人形と共に持ち歩いていたのが「ひなあられ」。

子どものお菓子としてはもちろん、ひな人形へのお供えものとしても重宝されていました。

ピンク色のひなあられは「魔よけ」、白は「純潔」、緑は「健康」など色によって持つ意味が異なるのも興味深いですね。

春と秋のお彼岸に食べるおはぎとぼたもち。この言葉の由来は、それぞれの季節を代表する花、牡丹と萩から来ています。

行事食にまつわるこうした由来を知ることで、先祖の暮らしを知ることができるのも興味深いですね。

【5月の行事食】

・子どもの日 かしわもち、ささもち、べこもち、ちまき

<ワンポイント>

良い香りがただよう、かしわもち。

かしわの木は「神が宿る」とされていて、縁起が良いことから子どもの日の行事食として使われています。

またかしわの木に残っている古い葉は、新しい芽が出てきてからようやく落葉します。このことから「子どもが大きくなるまで父母は他界しない」という意味を持つとされ、子孫繁栄の象徴ともされています。

【7月の行事食】

・七夕 そうめん

・土用のうしの日 うなぎのかば焼き

<ワンポイント>

「土用のうしの日にうなぎを食べる」という風習は、江戸時代の発明家である平賀源内がつくったといわれています。

かつて、うなぎが売れずに困っているうなぎ屋が、「どうすれば売れるのか」を平賀源内に相談しました。このときの平賀のアドバイスは、「“うし”の日にちなみ、『本日うしの日』と店に張り紙をすればいい」というものでした。店主が張り紙をしたところ、張り紙に興味を惹かれた客が押し寄せ、大変繁盛したそうです。

これをきっかけに、「土用のうしの日にうなぎを食べる」という習慣が定着しました。

七夕にそうめんを食べる習慣や由来、アレンジレシピについてこちらの記事で詳しく解説しています。

https://chefkuru.jp/media/useful/learn-food/1112/

【8月の行事食】

・お盆 だんご、もち、そうめん

<ワンポイント>

お盆は、ご先祖の霊があの世とこの世を行き来する期間です。

この期間には肉類は避け、豆腐や野菜など穀物を使った料理を食べるのが望ましいとされています。

また、ご先祖へのお供え物としてだんごを作る風習もあります。

【9月の行事食】

・十五夜 月見だんご

・秋の彼岸 おはぎ、ぼたもち

<ワンポイント>

十五夜は、一年のうちで月がもっとも美しく見える日です。

昔の農民たちは、月の満ち欠けを見ながら農耕をおこなっていました。そこで十五夜には、月の神様に収穫への感謝をささげるため、獲れたお米で月見だんごをつくり、それを供えることでさらなる五穀豊穣を祈ったとされています。

【12月の行事食】

・冬至 かぼちゃ

・大晦日 年越しそば

<ワンポイント>

冬至には、末尾に「ん」がつく食べ物を食べることで運を呼び込める……といわれています。

しかし、「かぼちゃ」の末尾は「ん」ではありません。では、かぼちゃが冬至の行事食として定着しているのはなぜでしょうか?

実は、かぼちゃの別名は「なんきん(南京)」。そのため、末尾が「ん」の食べ物のひとつとして数えられているのです。にんじんやれんこん、だいこん、いんげんなどでも良いのですが、かぼちゃは長期保存が可能な食べ物であり、さらに栄養価も豊富なことから代表的な行事食として重宝されています。

和食だけじゃない!日本の行事食

ここまで、日本の伝統的な行事食として、和食系をご紹介しました。

しかし海外文化の活性化にともない、今の日本では行事食として海外の食べ物もよく使われています。

たとえば2月のバレンタインデーではチョコレートが行事食といえるでしょう。

10月のハロウィンには、くりぬいたかぼちゃで飾りをつくります。

クリスマスにはケーキやチキンなどでお祝いすることも。

そしてなにより、誕生日にはケーキが行事食ですね。

日本古来の行事はもちろん、ご家族ならではの記念日にも、ぜひ特別な行事食でお祝いしてください。

「シェフくる」には、和洋中さまざまな有名シェフが在籍しています。

行事ごとのお祝いや、誕生日の思い出づくりなどに、ぜひ「シェフくる」をご活用ください。

行事食は、いわば昔から長く続いてきた「日本の伝統」です。

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