アメリカの食事というと、ピザやハンバーガーにかぶりついたり、分厚いステーキをもりもり食べているイメージが強かったりで、食事マナーと言われてもピンとこないかもしれません。しかし、アメリカ料理の食べ方にもマナーがあります。
この記事では、アメリカの基本的な食事マナーやナイフやフォークを使う際の注意点を解説し、アメリカ人が普段食べている料理についても紹介しています。
アメリカの食事マナー5つ
アメリカの食事マナーの基本的なポイントを5つ紹介します。
①取り皿に食べる分だけよそう
アメリカでは大皿料理を出すのが一般的であり、自分で食べたい分だけ取り分けて食べます。こうした食べ方をアメリカでは「ファミリースタイル」と呼びます。大皿を順に回して、それぞれ自分の小皿に取り分けて食べます。この際のマナーとして、隣に座ってる人の前に手を出さないことが挙げられます。
手の届かない場所にある調味料を取るときも、身を乗り出したり立ち上がったりするのはマナー違反となるので注意しましょう。そのような時は、調味料や食べたい料理の近くにいる人に頼んで取ってもらう、回してもらうのがマナーです。その際の英語は「Please pass the〜」を使うのが一般的です。
②お皿はテーブルに置いたまま使う
日本ではお椀を手に持つことが食事マナーですが、アメリカの場合はどのような形状のお皿でも、手に持って食べるのはマナー違反です。また、お皿に口をつけるのもやめましょう。眉をひそめられます。
ただし、取っ手が付いているスープのお皿やカップは持ち上げても問題ありません。
③スープを飲む際の食事マナー
日本では、味噌汁やスープを飲む際に最初にかき混ぜることが多いですが、アメリカではスープをかき混ぜずに飲むのが食事マナーです。
また、汁物や麺類をすするように食べるのは日本特有の食事マナーであり、アメリカでは音を出して食べる習慣はないため、汁物や麺類であっても音を立てずに飲みましょう。
④手で食べることが許容される場合もある
アメリカの食事ではナイフとフォークを使うのが普通ですが、一部の料理や特定の状況では手で食べることが許容されます。
たとえばハンバーガーやホットドッグ、ピザ(ナイフとフォークで食べる場合もあります)、フライドチキンやリブなどがこれにあたります。
ただし、食べたあとで指を舐めるのはやめましょう。手が汚れた場合は、ナプキンで拭くのがマナーです。
⑤爪楊枝は使わない
日本では食事の後に爪楊枝を使うことが多いですが、アメリカでは人から見えるような場所で爪楊枝を使うのはマナー違反です。
食事の後にどうしても爪楊枝を使いたい場合には、洗面所やお手洗いに入り、人から見られないようにしましょう。
食事中に席を離れる際は「Excuse me for a moment」など、断りを入れてから席を立つのがルールです。
アメリカの食事マナーの基本!フォークとナイフの使用方法
アメリカの食事マナーのなかでもポイントになるのは、フォークとナイフの使用方法です。アメリカでは食事をする際にフォークやナイフ、スプーンといったカトラリーを使います。
そこで、アメリカの食事マナーのポイントとなるナイフとフォークの基本的な使用方法についてチェックしていきましょう。
フォークとナイフの基本的な使い方
テーブルにセッティングされている複数本のカトラリーは外側から使うこと、右手にナイフを、左手にフォークを持つことがマナーです。
また、一口で食べられないものは、食べるたびにカットしましょう。最初に全て食べやすいサイズにカットするのはマナー違反です。
アメリカの食事マナーでは、食べ物を一口大に切ったら1度フォークを右手に持ち替えて食べます。しかし、近年ではフォークを右手に持ち替えることなく、フォークの上に乗せて食べる人も増えているため、必ず持ち替えなくても良いといえます。
なお、食べ物にフォークを刺したり、フォークを舐めたりするのはやめましょう。
食事中のナイフとフォークの置き方
ヨーロッパでは、食事の途中にフォークやナイフを「ハの字」になるようにお皿の上に置く、もしくはクロスさせるように置くのが一般的です。フォークの背が上になるようにして、自分側にナイフの刃が向くように置きます。
アメリカでは、食事中にナイフとフォークを置く場合、お皿のふちにフォークとナイフの先を引っ掛けるようにして置くのが一般的な食事マナーです。
食事が終わった後のフォークとナイフの置き方
イタリアンやフレンチでは、フォークとナイフを揃えて置くのがマナーです。自分側にナイフの刃が向くようにして、フォークの腹の部分が上になるように置きます。
一方アメリカでは、フォークやナイフを揃えて3時の方向に向くように置くのが食事マナーです。また、パスタを食べる場合はスプーンを使用せずフォークだけで食べるのもマナーとされています。
アメリカ人は普段どんなものを食べているのか
日本料理と言えば寿司や天ぷら、イタリア料理といえばパスタなど、それぞれの国の料理には代表的なメニューがありますが、アメリカのそれはどんなものでしょう。そもそもアメリカ人は普段どんなものを食べているのでしょう?
先ほども述べましたが、アメリカ人とひとことで言ってもそのルーツはさまざまであり、そのルーツによって独自の生活スタイルを持っているのが一般的です。ですが、アメリカという国で、一般的にそこに属する人々がよく食べているものということであれば、以下が挙げられます。
ハンバーガー
これぞアメリカという感じです。ビーフパテをバンズで挟んだアメリカの代表的な軽食です。
ホットドッグ
ソーセージをバンズに挟んだ料理で、スポーツ会場やイベントなどでの定番メニューです。
ピザ
イタリア発祥の料理ですが、アメリカでは様々なトッピングが楽しめます。よく知られているシカゴのピザは、三角に切り取ったものだけでもとても大きく、それをナイフとフォークで食べたりします。
フライドチキン
揚げた鶏肉で、南部料理の代表的な一品です。世界的に知られたケンタッキーフライドチキンは、まさにケンタッキー州が発祥の地です。
ステーキ
牛肉のステーキが特に人気で、グリルやバーベキューで調理されます。ステーキの部位や種類も非常に豊富です。
チリコンカン
肉、トマト、ビーンズなどを組み合わせたスパイシーなシチューです。ルーツはメキシコ料理にあり、地理的に近いテキサス州やその周辺で古くから食べられています。
マカロニ・アンド・チーズ
マカロニにチーズソースをかけたクリーミーな料理。一般的な家庭料理として親しまれ、家庭や地域によってさまざまなバリエーションがあります。
バーベキュー
特に南部で人気です。日本でバーベキューというと直接火で焼いたり炙ったりしますが、アメリカのバーベキューは日本で言う燻製に近く、肉や野菜を煙で燻して調理します。肉を燻す人のことをピットマスターと呼び、彼らの力量と、無数にある特徴的なソースがいろどりを添えます。
スープ
クラムチャウダーやチリなど、様々な種類のスープがあります。
パンケーキ
朝食としてよく食べられ、シロップやバターをかけて食べます。
その他にも、家庭料理としてさまざまな料理がアメリカでは食されています。ミートローフやローストチキン、シチュー、キャセロール、サンドイッチ、グリル料理、タコス、ポトフなどがあります。
アメリカの食事マナーを真似して食べてみよう
アメリカの方と食事をする際やアメリカに旅行をする際には、マナーをおさえて食事を楽しむことが大切です。また、日本人の家族だけでアメリカの料理を食べる場合にも、アメリカの食事マナーにならって食べることによって、気分を盛り上げたり雰囲気を作ったりできるでしょう。
アメリカの食事というとファーストフードのイメージもありフランクな印象ですが、地方へ行くと日本以上に保守的で、それは食事マナーにも現れます。食事の前にお祈りをする家庭も少なくなく、居合わせた場合は彼らの時間を邪魔しないようにしましょう。
ホームステイなどで相手の家族と食事をする際は、まず相手がどのように食事しているかをしっかり観察して、基本同じようにふるまうことをおすすめします。
シェフくるは、シェフが食材持参でお宅を訪問し、目の前で料理してふるまってくれるサービスです。本格的な料理を堪能しながら、マナーを実地で確認してみるのも一興ではないでしょうか。