お食い初め(おくいぞめ)は、赤ちゃんにとって大切な行事の1つです。
料理を前に、赤ちゃんに食べる真似をさせることで、「一生食べものに困りませんように」「たくさん食べて元気に育ちますように」と、すこやかな成長をお祈りします。
古いしきたりで、生後まもないあわただしい時期ということもあって、特に若いご夫婦などはやらない、そもそも知らないというところも多いのかと思いきや、実は8割以上の親御さんがお食い初めをしているという意外な調査結果もあります。
とはいえお食い初めは、誕生日や七五三のように祝い方がよく知られているわけではありません。
そこでこの記事では、お食い初めをいつ、どこで、誰を呼んで、どんな料理を用意して行うのか、終わったあとの料理や食器はどう処分すればいいのか、など、お食い初めに関するさまざまな疑問を解消していきます。
正しい方法で我が子のお食い初めを祝いたい。そうお考えの方はぜひお読みください。
目次
お食い初めはいつすればいいか 日数の数え方は
お食い初めは別名「百日祝い(ももかいわい)」とも呼びます。
つまり、赤ちゃんが生まれてから100日目に行うのが一般的です。
とはいえ、厳密に100日目というわけではなく、「100日前後で都合が良いとき」で構いません。
家族が集まりやすい週末や、祖父母の予定に合わせて行うのが良いでしょう。
なお、お食い初めやお宮参りなど、お祝いごとにおける赤ちゃんの日数は生まれた日を「1日目」として数えます。産院など医療現場においては生まれた日を「0日目」として数えるので、1日ズレが生じる点には注意が必要です。
お食い初めはどこですればいいのか
お食い初めを行う場所は、特に決まっていません。
最近はレストランの個室やホテルなどでお食い初め専用のプランが用意されていたりもしますが、赤ちゃんの負担が少ないことを第一に考えて計画を立てましょう。
赤ちゃんは、体調や機嫌が刻々と変化するため、可能なら自宅で行うのがベストと言えるでしょう。
お食い初めで準備するもの
お食い初めで料理以外で準備するものは以下の4点です。
- 食器
- 歯固め石
- 祝い箸
- 服
それぞれ見ていきましょう。
お食い初めで準備する「食器」について
お食い初めに使う食器は、「祝い膳」といって特別な食器を準備する風習もあります。
しかしそれだけのために食器を新調するのも大変なので、最近は一般的なベビー食器を使用するところも多いようです。また食器をあつらえるにしても、その後も使えるものを選んでおくと良いでしょう。
伝統的な祝い膳は、漆塗りのお膳です。
・男の子(朱塗りのお膳)
・女の子(外は黒塗り、内は朱塗りのお膳)
このように男女で色を分けることが多いようです。
ただ、地域によっては「食器の準備は祖父母がおこなう(赤ちゃんにとってのおじいちゃん・おばあちゃん)」など風習があるため、お食い初めの準備をはじめる前に、一度ご実家と相談してみると良いでしょう。
お食い初めで準備する「歯固め石」について
お食い初めの儀式では、料理のわきに「歯固め石」を置くのが特徴です。
歯固め石を置くことで、「赤ちゃんに石のように丈夫な歯が生えますように」「長生きしますように」と願いをかけるのです。
歯固め石について、厳密な規定はありません。
お宮参りのときに神社からもらえることもあれば、お食い初め用の食器セットを購入するときに付属していることもあります。
手元になければ、庭で拾った石でも大丈夫。なるべくきれいで、表面がつるつるしている石を選びましょう。もし赤ちゃんが舐めたときのために、お食い初めの前には熱湯消毒しておくと安心です。
お食い初めで準備する「祝い箸」について
祝い箸とは、両端の細い丸箸のこと。お正月に使うものと同じで問題ありません。
祝い箸は八寸(約24cm)でつくられていて、この長さは(八という字の)末広がりを意味します。縁起が良いので、ぜひお箸にもこだわって用意しておきましょう。
お食い初めで準備する「服」について
お食い初めの主役は、なんといっても赤ちゃん。これも赤ちゃんは和装の平服を着るのが一般的といわれていますが、厳密ではありません。赤ちゃんに和装を着せるのは大変ですので、羽織るようにそっと肩からかけたり、あるいは普段着のままの場合も多いです。
最近では、手軽に着せられるロンパースタイプの和装(袴)も人気を集めています。1枚あるだけで、お食い初めだけではなくお正月や初節句など様々な祝い事に使えますよ。
ただ、大切なことは、「赤ちゃんが気持ちよく過ごせるかどうか」。赤ちゃんが嫌がったり暑がったりするようなら、無理をせずに楽な格好で過ごさせてあげてくださいね。
ちなみに、パパ・ママや同席する人の服装は特に決められていません。
自宅であれば普段着で問題ありませんし、レストランなどでお食い初めをするならTPOをわきまえた服装にしましょう。
お食い初めではどんな料理をつくればいいの?
お食い初めでは、一汁三菜の献立が基本です。
それぞれのメニューに意味があるので、ぜひ意識しながら料理してくださいね。
【尾頭つきの焼き魚】
「めでたい」の語呂から、鯛を準備するのが一般的。
【お吸い物】
「おっぱいをたくさん吸って元気に育つように」という意味があります。鯛や鯉を使ったすまし汁が一般的です。
「よいパートナーに巡り合えるように」と、はまぐりを入れることもあります。
【香の物】
酸味のある香の物で、お口の中をさっぱりさせます。
旬の野菜をつけたぬか漬けが一般的です。
【煮物】
かぼちゃやしいたけをおしゃれな形に切ったり、おめでたい「紅白」を表す大根やにんじんを入れて煮込むことが多いです。
【赤飯】
お祝いの席に欠かせないのが、赤飯。赤い色には、昔から邪気払いや魔よけの意味があるといわれています。彩りもよいので、お食い初めの料理をさらに華やかに見せてくれるでしょう。
お食い初めの料理を食べさせる順番は?
お食い初めは、祝い箸を使って、以下の順番で料理を赤ちゃんの口元へ運んでいきます。
- 赤飯
- お吸い物
- 赤飯
- 焼き魚
- 赤飯
- お吸い物
もちろん、口の中に入れる必要はありません。唇に軽く触れさせるだけで十分です。お吸い物は直接赤ちゃんの口元へ運ぶのではなく、お吸い物にひたしたお箸を赤ちゃんの歯茎にあてましょう。
上のローテーションを3回繰り返します。
用意した香の物や煮物はお食い初めに使わない地域も多いようですが、使っても構いません。
ローテーションの最後は前の2回と順番が変わります。
- 赤飯
- お吸い物
- 香の物
- 赤飯
- お吸い物
- 煮物
- 赤飯
- お吸い物
順番を間違っても大丈夫。大切なのは赤ちゃんの成長を願う気持ちです。
ここまでできたら、最後に歯固めの儀式を行います。
用意した歯固め石に箸をあて、そのお箸を赤ちゃんの歯ぐきにチョンと当てます。
昔は歯固め石を直接赤ちゃんの歯茎にあてることが多かったようですが、石の大きさによっては誤飲のおそれがあることから、現在は直接あてないことが多いようです。
これで、お食い初めの一連の儀式は完了です。
祝い膳は、大人の皆さんでおいしくいただきましょう。
お食い初めの料理を誰が食べさせるか
お食い初めを食べさせるのは、必ずしもパパ・ママとは限りません。
同席している人の中で、最年長の人に担当してもらうのが一般的です。
祖父母が同席するなら、ぜひお願いしてみてくださいね。
ただ、赤ちゃんが人見知りして嫌がってしまうようなら、慣れ親しんだ方にバトンタッチしましょう。
お食い初めで使った道具の処分について
食い初めで使った道具をその後どうするかというのも気になるところです。そのままゴミにしてしまうのは何となくしのびないですよね。
それぞれの道具の正しい処分方法を以下でご紹介します。
お食い初めに使ったお料理の処分
お食い初めのお料理は同席した人みんなで一緒にいただきましょう。
同席する人も祝箸をつかって、ぜひお祝いの気持ちを共有してください。
お食い初めに使った食器の処分
用意した食器は、そのまま普段使いにおろして大丈夫です。
不要な場合も食器自体にご利益などはないので、処分したり、リサイクルショップなどに出してしまっても大丈夫です。
お食い初めに使った祝い箸の処分
祝箸は神様と一緒にお食事をいただく「両口箸」、神様のご利益が宿ると考えられています。
こちらはお正月のお箸と同様に処分しましょう。神社などに持っていってお焚き上げしてもらうのが正式ですが、無理な場合は塩で清めて白い紙に包み、他のゴミとは分けて燃えるゴミに出しましょう。
お食い初めに使った歯固め石の処分
基本的には元あった場所に戻します。お宮参りなどでいただいたものなら、返却方法が指定されている場合もあります。
記念にとっておく人も多いです。誤って捨てないよう、「お食い初めの歯固め石」などと書いた袋に入れておくといいですね。
お食い初めで赤ちゃんの健やかな成長を願おう
お食い初めは、赤ちゃんのすこやかな成長を願う行事です。
いつ・どこでなどルールを知り、食べさせる順番も意識しながらすすめてくださいね。
ただ、育児や家事をしながらたくさんの料理をつくるのは大変ですよね……。
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