中国の食事マナーは日本の食事マナーと異なるため、中国の方と食事をする際や高級中華料理店に行く際などは注意が必要です。
この記事では、中国の食事マナーの基本や、注意点について紹介します。
目次
中国の食事マナーの基本
中国の食事マナーのなかでも、必ず押さえておきたい基本のマナーを紹介します。
①料理を少しだけ残すのがマナー
日本の食事マナーでは、出された料理は残さずに食べることで、料理を作ってくれた人や食材への感謝の気持ちを表わします。
しかし、中国の食事マナーでは、料理を少しだけ残すのが一般的です。
綺麗に残さず食べるのではなく、一口分程度残すことで「食べきれないほど十分に料理を提供して貰い、満足だった」という気持ちを表します。
韓国の食事マナーでも少しだけ残すのが良いとされていていますし、スリランカなどではお皿の料理をすべて食べ切る=おかわりを求めるサインとなってしまう場合もあるので、きれいに食べ切ることが国外では必ずしも正解にはならないことを知っておきましょう。
②目上の人から食事を始める
中国では、食事をする前に「いただきます」といった挨拶をしません。目上の人が料理に箸をつけたことを確認してから他の人が食べ始めるのがマナーです。
家庭では祖父母、両親の順で食べ始め、最後に子供や孫が食事を始めます。
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③大皿料理を分けて食べる
中国の食事は、前菜や主菜を数種類作り、それぞれの料理が大皿で提供されます。そのため、料理を自分が食べたいぶんだけ小皿に取り分けて食べるのが一般的です。
料理を取り分ける際には、料理が崩れないように適量を自分の皿に取り、大皿に料理が残っていない場合にはおかわりをしましょう。
中国の料理は美しく盛り付けられていることが特徴のため、自分の次の人が料理を取る際にも美しい見た目がキープできるよう、盛り付けを崩さないことが重要です。
④料理を自分の箸で取り分ける
中国では、自分が使っている箸で家族に料理を取り分けたり、箸で食べさせたりするのが食事マナーです。
日本では、他の人に料理を取り分ける際に自分の箸を使うことを躊躇してしまいますが、中国では家族だけでなく、他人に取り分ける際にも自分が使った箸で料理を取り分けることがあります。
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⑤取り皿は新しいものを使う
中国の食事マナーでは、大皿料理を取り分けて食べるのが一般的なため、複数の取り皿を使用します。新しい料理を取る際には、遠慮なく新しい取り皿を使うようにしましょう。
日本的な感覚では、「何枚も取り皿を使うと洗う人に迷惑になる」と考えてしまいがちですが、中国ではそれが当たり前のことなので遠慮するとかえっておかしなことになってしまうので注意が必要です。
中国の食事 中華料理の食べ方の4つのマナー
日本では問題ない食事マナーでも、中国ではマナー違反になることがあります。逆に、中国では一般的な食事マナーであっても、日本では周囲を不快にさせるなど、食べ方にも文化の違いがあることを理解する必要があります。
以下では、中国で食事をする際の特徴的なマナーについて紹介します。
⑥汁物や麺は音を立てて食べない
日本の場合は、麺類はあえて音を立てて食べたり、みそ汁をすするときにも音を立てたりするのが良しとされるケースが多いですが、中国の場合は、音を立てて食べるのは厳禁とされています。他の食事マナーと比較して、「音を立てて食べる」という行為には特に厳しいため注意しましょう。
日本にいる時の感覚でラーメンをずるずるやっていると、何かしら注意される可能性が高いです。
⑦お皿に口をつけない
中国の食事マナーでは、お皿には口をつけず、スープやご飯をれんげを使って食べます。お茶碗を持って食べても良いとされていますが、汁物や麺類を飲む時はお皿を持ち上げないようにしましょう。
なお、左手はテーブルの下になるよう、膝の上に置くことが食事マナーです。
⑧口から出したものはお皿に乗せない
中国では、テーブルの上に魚や肉の骨、エビの殻などを食べ散らかしていることがあり、驚くことがあるでしょう。
中国の食事マナーは、口から出した魚や肉の骨、魚介類の殻といったゴミはお皿に戻さないことがマナーです。そのため、骨や殻などはお皿ではなくテーブルの上に直接置きます。
テーブルの上にゴミを置くことが食事マナーのため、飲食店ではテーブルクロスごとまとめて片付けることが一般的です。
⑨食事を終えた後のマナー
中国では、食事を終えた後は箸を横に置くのがマナーです。食事の前や食事中には、箸を縦に置くことで食事中だということを示します。
ナイフとフォークを使う料理で、お皿の上にハの字に置いたりそろえて置くことで食事中か食事が終わったか表わすのと同じように、中国の食事では箸の向きで食事中か食事が終わったか示すのがマナーです。
中国料理を食べるときには食事マナーも真似してみよう
海外旅行をするときだけではなく、日本で中国の方と食事をする際や自宅で中華料理を食べる際にも、中国の食事マナーを真似してみるのがおすすめです。日本とは異なる食事マナーが多く、中国のマナーを真似することで雰囲気も盛り上がるでしょう。
世界にはさまざまな国があり、それぞれの国によって独特の料理や食習慣、食文化があります。今回の中国はもちろん、フランスやイタリアの食事マナーはよく知られていますし、アメリカにも独特の食事マナーがあり、意外と言っては失礼ですが結構厳しいものです。そうした食文化や食事のマナーを学びながら料理をいただくと、新鮮で楽しくなりますよ。
シェフくるは、シェフが食材持参でお宅を訪問し、目の前で料理してふるまってくれるサービスです。中華を得意とするシェフやフレンチやイタリアンが専門のシェフなども多数在籍しておりますので、本格的な料理を堪能しながら、マナーを実地で確認してみるのも一興ではないでしょうか。