近年、タイ飯ブームなどですっかり身近になったエスニック料理。「カルディ」のような輸入食料品店のみならず、一般のスーパーや「業務スーパー」「無印良品」といったお店でもエスニック料理の食材が買えるようになりました。
ですが「どの料理がどの国のものかよくわからない…」という方は多いのでは?この記事ではエスニック料理とは何か、代表料理は何かを国別に紹介しています。
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目次
エスニック料理とは?
エスニック(ethnic)とは「民族的な」「異国感のある」ことをあらわす形容詞です。エスニック料理といえば、いわゆるイタリアン・フレンチ・中華といった定番のジャンルでない、ちょっと変わった料理を指します。
一般にはタイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアなど東南アジアの料理を指すことが多いですが、広い意味ではインドなど南アジアの料理、トルコをはじめとした中東料理、モロッコなどアフリカの料理、ブラジルなどの中南米料理まで含めることもあります。
この記事ではエスニックの代表格、東南アジアの料理を国別に紹介します。日本と同じく米が主食の地域が多いですが、スパイスやココナッツミルク、パクチーやライムジュースといった食材を多用する地域も多く、中華料理や韓国料理とはまた違った味わいが魅力です。
【タイ料理】エスニックブームの火付け役!
「タイ飯」として大ブームを巻き起こした後、すっかり日本に定着したタイ料理。レトルトのタイカレーやカオマンガイの素はどこのスーパーでも見かけるほどの存在になりました。
かつて植民地時代、周辺諸国が欧米に支配される中、緩衝国として最後まで独立を保ったタイ。食文化も独自のものが多く残り、エスニック料理の代表格として多くの人を魅了しています。
トムヤムクン
タイのスープ、トムヤムクン。エビの旨味と唐辛子の辛味、レモンやレモングラスと酸味が一体となった味わいは、まさにエスニックの代表格。ちなみにトムヤムクンの「クン」はエビのことを指し、エビの代わりに鶏肉なら「トムヤムガイ」、イカなら「トムヤムプラームック」と名前が変わります。
カオマンガイ
タイ風チキンライス、カオマンガイ。鶏のゆで汁で炊き上げたお米に鶏肉をたっぷり盛り付け、甘辛いタレをかけた料理です。本場タイでは薄味で提供され、机に備え付けの調味料で自分好みに味付けして食べるのが一般的。
ガパオライス
鶏ひき肉をナンプラーや唐辛子、砂糖で甘辛く味付けし、ご飯の上にたっぷり乗せて目玉焼きをトッピングしたガパオライス。「ガパオ」はタイ語でホーリーバジルを指し、たっぷりのバジルと一緒に炒めるのが美味しさのポイントになっています。
【ベトナム料理】米粉が生み出す新たなおいしさ
米粉を多用した料理が特徴のベトナム料理。植民地時代はフランスが宗主国だった歴史もあり、フランスパンを使ったベトナム風サンドウィッチ「バインミー」や、パリのカフェ文化を背景にした「ベトナムコーヒー」など、フランスとベトナムがコラボした食文化も見所になっています。
生春巻き(ゴイ・クォン)
米粉で作られた半透明の生地から中身が透ける生春巻き。ベトナムでは「ゴイ・クォン」と呼ばれます。ライスペーパーにレタス、エビ、豚肉、パクチー、ニラ、ニンジン、ビーフンなどを巻き、ヌクチャムと呼ばれる魚醤ベースのタレをつけていただきます。
なお、フォーと並んでベトナムの代表料理とされる生春巻きですが、油で揚げるタイプの春巻きもよく食べられています。
フォー
平たくてもちもちした米粉の麺を、牛や鶏ガラベースの汁に入れていただくフォー。現地では牛肉が出汁のベースになる料理は珍しく、フランスのポトフが元になったのではないかという説も。鶏肉や牛肉、パクチーなどを具材として入れ、ライムをしぼっていただきます。
バインセオ
いわゆる「ベトナム風お好み焼き」です。日本のお好み焼きでは小麦粉と水がベースになりますが、バインセオは米粉とココナッツミルクで作ります。中身には豚肉、エビ、もやし、タマネギなどを入れ、たっぷりのサニーレタスやパクチーと一緒にいただきます。
【インドネシア料理】東南アジアのイスラム教国
バリ島があることでもおなじみ、インドネシア。国民のほとんどがイスラム教徒のため、豚肉やアルコールを使った料理がほとんどないのが特徴です。ただバリ島周辺はヒンドゥー教徒が多いため、豚肉を使った料理もみられます。
ナシゴレン
いわゆる「インドネシア風チャーハン」です。日本のチャーハンはチャーシューが使われることが多いですが、イスラム教徒が多いインドネシアでは鶏ひき肉またはエビが使われます。味付けにはトマトと唐辛子から作られる「サンバルソース」や、大豆から作られる甘いソース「ケチャップマニス」が使われます。
ミーゴレン
ナシゴレンのお米を中華麺に変えると「ミーゴレン」になります。見た目は日本の「ソース焼きそば」に近く、日本人にも食べやすいです。
【マレーシア・シンガポール料理】多様な民族、多様な食文化
マレー系・中国系・インド系の人々が混在するマレーシアやシンガポール。他の東南アジア諸国の料理に加え、鶏飯など中華料理、フィッシュヘッドカレーなどインド料理もたくさん食べられています。ココナッツミルクを多用するのも特徴です。
ラクサ
近年日本でも取り扱う店が増えており、「カルディ」や「無印良品」などで「ラクサのもと」を見かけるようになりました。カレー風味のココナッツミルクの汁に米粉の麺を入れた料理で、エビの出汁をしっかりきかせて作ります。
バクテー
「肉骨茶」という漢字表記をされることもあるバクテー。豚の骨付き肉を生薬や中国醤油と一緒に煮込んで作るスープです。現地では気軽な屋台料理の扱いですが、日本では薬膳料理としても注目を浴びています。
【その他の東南アジアの国】フィリピン、カンボジア、ラオス料理
日本で見かけるのはタイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアの料理が多いですが、フィリピン・カンボジア・ラオスにも美味しいものがたくさんあります。かつて大ブームを巻き起こした料理や、これからブームになるかもしれない料理を紹介します。
ナタデココ(フィリピン料理)
日本でも人気のリゾート島・セブ島があるフィリピン。平成初期に大ブームを巻き起こしたナタデココはフィリピンの伝統的な発酵食品で、ココナッツの果汁から作られます。
アモック(カンボジア料理)
古代遺跡アンコールワットで知られるカンボジアには、クメール料理と呼ばれる独自の食文化が発達。アモックは雷魚などの魚をミックススパイスとココナッツミルクで蒸した料理で、クメール料理の代表格とされています。
ラープ(ラオス料理)
ラオスは東をベトナム、南をカンボジア、西をタイにぐるりと囲まれた内陸国で、もち米が主食になっています。もち米と相性抜群な甘辛い料理がラープ。鶏や豚のひき肉をハーブやスパイスであえた料理です。
エスニック料理を楽しもう!
「聞いたことはあるけれど、実際に食べたことがない」というメニューも多いエスニック料理。日本でも多くの専門店があり、家庭で手軽に本場の味が楽しめるレトルトもたくさん市販されているので、ぜひ味わってみてくださいね。
出張シェフサービス「シェフくる」にはアジア料理を得意とするシェフも在籍しています。スパイスやハーブを多用する東南アジアの料理は、食べるだけで元気になるメニューがたくさん!ぜひ味わってみてください。