子どものうちからしっかりと食事マナーを身に付けさせておけば、大人になってから人前で恥をかくこともありません。
しかし、子どもに食事のマナーを身に付けさせるのは簡単なことではなく、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
子どもの将来のためにも食事の正しいマナーを身に付けさせるのは重要なことですが、具体的に何から教えれば良いのか、何歳から教え始めればいいのか悩むケースも多いです。
この記事では、子どもに身に付けさせておくべき食事のマナーや、いつから教えるべきなのかなどを紹介します。
目次
子どもの食事のマナー6選
食事のマナーはたくさんありますが、子どものうちにすべて教える必要はありません。特に小さなお子さんの場合、まずはしっかりと食べさせることが大切です。
子どもに身に付けさせておくべき食事のマナーを6つ紹介します。
スプーンやフォークを使わせる
2歳ぐらいまでの子どもは、フォークやスプーンを上手に使えないことがあります。上手に使えないことで食べ物を散らかしてしまい、手づかみで食べてしまうケースが多いです。
繰り返しになりますが、小さな子どもの場合は、食事のマナーを無理に教えることよりも、食事を楽しむこと、食べる意欲を持つことを重視しましょう。
手づかみで食べてもすぐに怒らず、見守ることが大切です。食事をおにぎりにしたりスティック状にしたりと、スプーンやフォークを使わなくても食べられるものにしてみるのもおすすめです。
しかし、食べ物が散らかると片付けに手間がかかってしまいます。3歳以上になると手づかみで食べるケースは減るため、少しずつでもスプーンやフォークの持ち方を教え、難しい場合は焦らずに見守りましょう。
食事中にお手洗いに行かない
これはもう少し大きくなった子どもが対象ですが、食事中にお手洗いに行くことはマナー違反になるため、食事の前に済ませる必要があります。しかし、食べ物が胃に入ると消化器官が刺激されてお手洗いに行きたくなることもあります。また、胃腸を刺激することで吐き気がするケースも珍しくありません。
お手洗いを無理やり我慢させるのは身体に悪いため、まずはお手洗いに行かせて、その都度それがマナー違反であることを伝えるようにしましょう。
食事中は姿勢を正す
茶碗を持たず食卓に置いた状態で食べたり、顔を近づけたり、猫背になったりするのは行儀が悪いので注意しましょう。また、姿勢が悪くなることで消化不良になり、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。テーブルに肘をつきながら食事をするのはマナー違反ですのできちんと注意しましょう。
両手をテーブルの上に置いて、お茶碗やお椀を持ち上げる、お皿に添えるなど、保護者が手本になり食事のマナーを見せて教えてあげる必要があります。
口を閉じて食べる
食べ物を口に入れて音を立てて食べる、食べ物を口からこぼすのは、一緒に食事をしている相手に不快な思いをさせます。食べ物が口に入った状態で会話をしないことも大切です。その場合は口の中の食べ物を嚥下してから、落ち着いて話すように教えましょう。
音を立てて食事をする癖は、大人になってから気づきにくいものです。しかし恥をかくのは本人ですから、子どものうちにしっかりとしつけておくことが大切です。
飲食店では静かに過ごす
食事のマナーは自宅だけではなく、飲食店に行ったときにもその都度教える必要があります。ほかのお客様に迷惑がかかるだけでなく、店員や他のお客様とトラブルになることもあります。
他のお客様から注意をされるという経験をしたり、そういう場面に遭遇したことのある人もいらっしゃるでしょう。楽しいはずの外食が台無しになってしまいますので、そうなる前に、しっかりと外食の基本を教えておく必要があります。
外で食事をするのは子どもにとって楽しいことであり、興奮して大きな声を出したり、走ったりする子もいますが、「もう帰る」「次は連れてこない」など伝えてそれが悪いことであると認識させましょう。周囲の人に迷惑をかけず、自分たちが楽しい食事をするためにも、外食をした際には大人しくテーブルに座り、お手洗いに行くとき以外は席を立たないように教える必要があります。さらに、会話をする時は声の大きさにも注意するようにしましょう。
未就学のお子さまなど、それでもなかなか言うことを聞かないこともあります。同行の大人がいさめても、テンションが上がってどうしようもないこともあります。周りの大人としては、寛容な目で見てあげたいものですが、限度はあります。特に静かさや雰囲気を重視するお店は、ある程度聞き分けが良くなるまでは避けておくのが賢明かもしれません。
食事中に立ち歩かない
子どもが自宅で食事をしながら席を離れたり、他のことに気を取られることがあります。それを放置してしまうと、学校の給食時や外食の際に苦労することになります。食卓からはよほどのことがなければ離れない。伝わりづらくても、繰り返し言って聞かせて理解をうながしましょう。
どうしても途中で立ってしまったり、食事に集中していなかったりする場合は、時間制限をして、それを過ぎたら食事を片付けてしまうのも手です。あくまで冷静に、食事は座って食べなければならないこと、食べ物を大切にしなければならないことを教えましょう。
食事中に歩いてしまう理由を考えてみるのも効果的です。子どもが興味を惹きそうなおもちゃが視界に入っていたり、テレビやテレビのリモコンが視界にあると、食事に集中できないことがあります。
食事の前におやつを食べてしまってお腹が空いていない、などが原因の場合は、おやつの誘惑を遠ざけてやることも親のつとめです。
もしくは、単に食事量が多すぎて満腹になっている可能性もあります。日によって子どもの食欲にも違いがあります。子どもの食事量には目を配るようにしましょう。
子どもの食事のマナーは何歳から教えるべき?
年齢に合わせて食事のマナーを教えなければ、食事の時間が楽しいものではなくなったり、食事そのものがストレスになったりします。
特に小さなお子さんの場合、食事は栄養を摂るための重要な行動ですので、まずはしっかりと食べさせることが前提です。
お子さんが小さいうちはまずはしっかりと食べさせること、それから徐々に、フォークやスプーンなどの道具を使って食べることを覚えさせましょう。
食事のマナーを1回ですべて身に付けさせるのは難しいです。離乳食が始まって子どもが自分で食事をするようになったら、少しずつ食事のマナーを身に付けさせましょう。
ただし、成長や理解力には個人差があります。「周囲の子どもは食事のマナーを身に付けている」という理由だけで焦る必要はありません。したがって、食事のマナーを何歳から教えるかという疑問は、あまり意味がありませせん。まずは食事を楽しむこと、しっかり食べることに重きを置き、焦らずたゆまず、子どもの様子を見ながら辛抱強く食事のマナーを教えていきましょう。
子どもに食事マナーを身に付けさせるコツ
子どもに食事のマナーを身に付けさせるコツには、以下のようなものがあります。
親が良い手本となる
子どもには厳しくマナーを言いながら、親は携帯片手に食事をしたりしていませんか。子どもは親の姿を見て育ちます。まずは身近にいる大人が良い手本となって、子どもに正しい食マナーを示しましょう。
食事を楽しむ
食べさせよう、正しいマナーを覚えさせようと焦るあまり、食卓の雰囲気が悪くなってしまうこともよくあります。親としては、せっかく作ったご飯なんだからしっかりと味わって食べてほしいと思うのは当然ですが、食事の時間が楽しくなくなるほどのしつけは、食欲自体の減退をまねきかねないため、避けた方が良いでしょう。
子どもに手伝いをさせる
上で「せっかく作った食事なのに」という親の気持ちを挙げましたが、料理や食卓の準備を子どもに手伝ってもらうというのも、食事に興味をもたせ、積極的に関わらせるために効果的です。
分かりやすく教える
言っても相手は子どもですから、理解力にも限界があります。「肘をつかない」「肘!」など、マナーの指導は極力シンプルにしましょう。くどくど同じことを繰り返し言ったり、感情的な物言いをしてしまうと逆効果になることもあります。
上手くできたら褒める
食事のマナーに限らずですが、上手くできた時にきちんと褒めてあげることも大切です。悪いことをしたら注意する、良いことをしたら褒める、当たり前のことですが、実際に子育てをしていると、褒めることはついつい忘れてしまいがちです。
外国の食事マナーを知ってみる
今回の記事では日本の食事マナーをベースにお話しましたが、国によっては正しいとされるマナーが日本とは逆になることもあります。たとえば韓国の食事マナーでは、お椀などは手に持たず、食卓に置いたまま食べることが正しいとされます。フランスの食事マナーやイタリアの食事マナーにも独特のものがあります。中国やアメリカにもその国ならではの食事マナーがありますので、お子さんに話してあげると、マナーに興味を持つきっかけになるかもしれません。
食事のマナーは時間をかけて身に付けさせよう
食事のマナーは、紹介したもの以外にもたくさんあります。1つ身に付けたら、しっかりと褒めてあげましょう。食事のマナーを身に付けたことを褒めずに別のマナーを教えこむと、食事の時間がストレスになります。親がイライラしていると、子どももご飯を美味しいと感じません。
食事の時間が苦痛になり、食事を取らなくなるケースもあるため十分に注意が必要です。家族で食べるご飯が美味しくない、食卓を囲むのが苦痛だという状況は、精神的にも悪影響を及ぼします。子どもの食事のマナーは、親が辛抱強く教えてあげることが大切です。
子どもと一緒に飲食店で楽しめるような食事をしたい方は、シェフくるの利用もご検討ください。自宅で食事ができるため、マナーが身に付いていない小さい子どもと一緒でも気兼ねなく食事を楽しめます。実際に食事をいただきながら、実地でマナーを教えることで子どもは理解しやすくなるでしょう。